本記事は「東京湾 カサゴ 釣り」の完全ガイド。時期・潮回り・風の読み方、仕掛けと誘い、おかっぱり・船釣りのポイント(東扇島西公園、本牧海づり施設、大黒海づり施設ほか)や実績エリアまで網羅。
東京湾のカサゴは冬〜春の夜〜マズメ、潮位変化と適度な濁りを味方に、障害物際のボトムを胴突き・テキサス・ジグヘッドで丁寧に攻めるのが最短。安全とマナー、持ち帰りもわかる。
東京湾でカサゴ釣りを始める前に知っておきたい基本
東京湾のカサゴは、堤防や運河の護岸、テトラ帯、橋脚など人工物が豊富な湾奥~湾央まで広く生息しており、岸釣り・船釣りのどちらでも通年狙える代表的な根魚です。まずは生態とフィールドの特徴、狙いどき、そして安全に釣行するための計画の立て方を押さえておくと、初回から効率よく実績に結びつきます。
- 根(岩や捨て石、構造物)にタイトに付く底生魚
- 夜や薄暗い時間帯に活性が上がりやすい」
- 東京湾は人工ストラクチャーが多く魚影が安定
――この3点が、最初に理解しておきたいカサゴ釣りの核心です。
カサゴの特徴と東京湾の魚影
カサゴは突起(棘)が発達した体を持つ根魚で、砂泥底よりも岩や敷石、ケーソンの継ぎ目、テトラポッドの穴、岸壁の際、船着き場のコーナー、橋脚基部など「陰と段差」がある場所に強く依存します。待ち伏せ型で、甲殻類や小魚を底付近で捕食するため、基本はボトムを正確にトレースする釣りになります。東京湾では15〜25cmがアベレージ、場所とタイミングが合えば30cm級が混じることもあります。

魚影が濃い理由は、湾奥の運河網や広い護岸、人工リーフ・捨て石帯などのストラクチャー量が圧倒的で、日中の身隠れから夜間の捕食まで生活空間が途切れにくい点にあります。濁りや常夜灯周りも好条件になりやすく、視界が落ちるほどプレッシャーが緩み、接岸個体が増える傾向があります。
生息環境 | 具体的なストラクチャー例 | 狙いどころの要点 | 注意点 |
---|---|---|---|
護岸・岸壁 | 継ぎ目、敷石の段差、スリット、角 | タイトに垂直落としで底を取り直す | 根掛かり多発。落水・転倒防止に足元注意 |
テトラ帯 | テトラの穴、際、沈みテトラの肩 | 穴撃ちで短いリフト&フォール | 足場不安定。滑り止め靴とライフジャケット必須 |
運河・水路 | 橋脚、護岸スリット、角、排水周り | 流れのヨレと影を連続で探る | 船の往来に注意。立入可否の確認が前提 |
船からのポイント | 捨て石、根回り、係留ブイ周辺 | 真下に落として底を切らさない | オマツリ回避に手返しと合図徹底 |
棘に毒はありませんが、エラ蓋や背ビレの棘で手を傷つけやすい魚です。フィッシュグリップとプライヤーで確実にホールドし、素手での無理な取り回しは避けましょう。
シーズンとベストタイミング
東京湾のカサゴは通年狙えますが、岸からの釣果が伸びやすいのは水温が低下する晩秋〜冬〜早春です。冬は日中でもストラクチャーに濃く付き、夜は接岸個体が増えます。産仔(カサゴは卵胎生)期間を挟む真冬はサイズのバラつきが出ますが、風が弱く濁りが入った夜は特に好機になりやすい傾向があります。夏は高水温と日照で日中の渋さが目立つため、夜釣り主体に切り替えるのが定石です。
時期 | 期待度の目安 | 狙い方のポイント | 一言メモ |
---|---|---|---|
1〜3月 | 高 | 日中はストラクチャー直撃、夜は際の回遊線 | 風弱+濁りで一気に数伸び |
4〜6月 | 中〜高 | 明暗・影の境目、橋脚ヨレをテンポよく | 安定期。日没前後が強い |
7〜9月 | 中(夜主体) | 常夜灯周りと底の障害物をスローに | 日中はタフ。無理せず涼しい時間帯で |
10〜12月 | 高 | 接岸増。際と段差を面で探る | 秋の荒食い。サイズも狙える |
時間帯は、朝夕マズメとナイトが基本。常夜灯や月明かりの効く「明暗の境目」、護岸の「影」が伸びるタイミング、そして小潮〜中潮で流れが緩むタイミングは食いが立ちやすい傾向があります。強風やウネリが入ると岸寄りの個体が散るため、事前に風向・波高をチェックし、無理のない範囲で組み立てましょう。
- 通年狙えるが、夜と薄暗がりが強い
- 冬〜春は岸寄りの密度と反応が上がる
このリズムを前提に釣行計画を作ると、釣れない日を大きく減らせます。
釣行計画とチェックリスト
成功率を左右するのは、ポイント選び以前に「海況・安全・現地ルール」を押さえた計画です。出発前に以下を必ず確認しましょう。
項目 | 確認内容 | 判断の目安 | 備考 |
---|---|---|---|
気象・海況 | 風向・風速、降雨、波高、潮位 | 初心者は風速5m/s未満・波高1m未満を目安 | 向かい風+高波は回避。無理をしない |
現地ルール | 立入可否、開閉時間、駐車、近隣配慮 | 施設・自治体案内に従う | 立入禁止や釣り禁止エリアは厳守 |
釣法の軸 | エサかルアーか、岸釣りか乗合船か | 風・足場・混雑で柔軟に変更 | いずれもボトムを丁寧に攻めるのが基本 |
安全対策 | 装備、夜間視認性、履物、同伴者の有無 | 必携品を全チェック | 単独夜釣りは連絡先の共有を |
持ち物の基本は「安全・回収・保冷」。過不足があると釣果だけでなくトラブルの原因になります。
- 安全装備:ライフジャケット(桜マーク推奨)、ヘッドライト(赤色モードがあれば尚良)、滑りにくいシューズ、手袋、レインウェア、防寒具、反射材
- フィッシュケア:フィッシュグリップ、プライヤー、はり外し、メジャー、タオル
- 回収・メンテ:スナップやシンカーなどの予備、ラインカッター、根掛かり対策の替え仕掛け
- 保冷・衛生:小型クーラーまたは保冷バッグ、保冷剤、ビニール袋、ウェットティッシュ、ごみ袋(持ち帰り用)
- 情報・連絡:スマートフォン(予備バッテリー)、地図アプリ、潮汐・天気アプリ
- その他:飲料、軽食、絆創膏など簡易救急用品
夜の岸釣りでは「足場」「視界」「落水」のリスクが日中より大きくなります。ライフジャケットとライトは必携、無理な体勢でのキャスト・回収は避け、濡れた斜面やテトラ上では一歩先を踏み出さないことが最優先の基本です。
以上の基本を押さえておけば、以降の「時期」「潮・風」「仕掛け・タックル」の個別最適化がスムーズに進み、東京湾のカサゴを安定して再現性高く狙えるようになります。
東京湾のカサゴの時期と時間帯
東京湾のカサゴ(カサゴ・ガシラ)は通年狙えるターゲットですが、釣果のピークは「冬〜春」かつ「夜〜薄明」の時間帯に集中しやすいのが特徴です。昼間は根や岸壁のキワなどストラクチャーにタイトに付き、薄暗くなるとエサを求めて浅場や常夜灯下に出てきます。エリア(湾奥・湾央・湾口)やフィールド(防波堤・運河・磯混じり)で体感差はありますが、年間の傾向と時合の組み立てを知っておくと安定して釣果を伸ばせます。
具体的な「時間帯」の合わせ方は、日の出前後・日没前後の薄明(マズメ)と、潮がわずかに動くタイミングが重なる日を優先。常夜灯や明暗の境目、岸壁の際(キワ)、足元の段差や敷石など、短時間で回遊しやすいラインを丁寧に打つことが時合を逃さないコツです。
年間カレンダーと狙い目の月
下のカレンダーは、東京湾の陸っぱり・湾内船釣りでの「釣れやすい月と時間帯」の目安です。天候・水温・濁りで前後しますが、月ごとの傾向を押さえておくとプランが立てやすくなります。
月 | 傾向 | レンジ/場所 | 狙い目の時間帯 | ワンポイント |
---|---|---|---|---|
1月 | 厳冬。数は絞られるが良型が混じる | 防波堤のキワ1〜5m、テトラの穴 | 夜〜朝マズメ | ステイ長めで「聞きアタリ」。常夜灯の明暗境目を丁寧に |
2月 | 寒波で活性低下の日があるが粘れば拾える | 岸壁の落ち込み、係留船の陰 | 深夜〜明け方 | 動かし過ぎないリフト&フォール。小型はリリースで資源保護 |
3月 | 安定傾向。荒食いが出る日も | 運河筋の角、敷石の段 | 夕マズメ〜宵の口 | 小潮・若潮でも動く時間を狙い、短い時合を逃さない |
4月 | ベイト(甲殻類)増で反応上向き | 常夜灯下の足元、ケーソン継ぎ目 | 夜全般+朝マズメ | 軽めのシンカーでスローに。ワームは甲殻系シルエットが有効 |
5月 | 初夏の安定期。数狙いしやすい | 日陰のキワ、護岸のコーナー | 朝夕のマズメ | 日中は日陰/明暗差を優先。手返しを上げてサーチ |
6月 | 梅雨の濁りで日中もチャンス | スリット護岸、桟橋周り | 夕マズメ〜宵、濁りの入った日中 | 濁りの日はシルエット強めと匂い系エサが効きやすい |
7月 | 高水温期。日中は渋い | 水深のある堤防外向き、船ならバーチカル | 完全に日が落ちてから | 深めをタイトに。常夜灯直下よりも少し外した明暗境目 |
8月 | 真夏継続。短時間勝負 | 橋脚、係留船の下 | 夜〜深夜 | レンジキープ重視で根掛かり回避。潮見で「動く短時間」を狙う |
9月 | 秋の気配で活性回復 | 防波堤の角、テトラの表層寄り | 夕マズメ中心 | サイズ混じりで数狙い。小型が続く場は移動 |
10月 | 安定。デイでも拾える日が増える | 護岸のキワ、敷石の段差 | 朝夕マズメ+薄濁りのデイ | 風で程よく波っ気がある日は積極的にデイゲーム |
11月 | 初冬。良型が岸寄り | テトラ帯、堤防の根周り | 夕〜夜全般 | 低速のズル引きで「コツッ」を逃さない。間合いを長く |
12月 | 冬入り。サイズ狙いの好機 | 常夜灯の明暗、足元のエグレ | 夜〜朝マズメ | 重めのシンカーで真下攻略。足元の縦ストを面で探る |
上記はあくまで「傾向」の目安で、実際の時合は当日の天候・濁り・人出・船の行き来などのプレッシャーで大きく前後します。迷ったら、まずは「日没前後1時間」と「日の出前後1時間」をコアに据え、反応が出たレンジと角度を微調整するのがおすすめです。
夜釣りとマズメの強さ
カサゴは日中、障害物に身体を寄せてじっとし、ボトムから大きく離れないことが多い一方、薄暗い時間と夜は警戒心が緩み、常夜灯の明暗や岸壁のキワに出てきて「待ち伏せ→捕食」のスイッチが入りやすい魚です。東京湾の都市部には街灯や施設灯が多く、明暗の境目に小型の甲殻類や小魚が溜まるため、それを狙うカサゴが集まりやすいという環境的な追い風があります。

具体的な時間帯の組み立ては、日没の30分前からポイントに入り、明るいうちは地形と根の位置を確認。薄暗くなってからは「足元のキワ→明暗の境目→橋脚の裏側や係留船の陰」の順でテンポよくチェックします。潮がわずかに動き出すタイミングとマズメが重なった30〜60分は、最も手返しを上げるべきゴールデンタイムです。深夜帯は人が減ってプレッシャーが下がるため、常夜灯のやや外側や、岸壁の段差・継ぎ目など「小場所」を丁寧に打つと拾い釣りが効きます。
デイゲームでも釣れますが、夏場の澄潮・高日照時はキワの日陰・ストラクチャー直撃の「精密なコース」が鍵になります。逆に梅雨時や風で適度に濁った日は日中でも食いが立ちやすく、短時間の時合が作りやすくなります。
冬から春に強い理由
東京湾で冬〜春にカサゴが強い最大の理由は「低水温期に浅場へ寄りやすく、薄暗い時間に積極的に餌を追う個体が増える」ためです。カサゴは沿岸の岩礁や護岸の根に定着性が強く、光量が落ちると待ち伏せ位置から一歩出て捕食行動を取りやすくなります。冬〜初春は小魚の行動が鈍り、甲殻類主体のベイトが目立つため、ボトム付近の「点」を撃つ釣りがはまりやすく、サイズも伸びやすい傾向があります。
一方で、夏〜初秋の内湾底層は日によって貧酸素化が起きやすく、浅場ボトムでの滞在時間が短くなることがあります。そのため、高水温期は「夜・日陰・水深・潮通し」を意識したポイント選択が重要になります。季節ごとの水環境に合わせて、狙う時間帯とレンジを柔軟に変えることが年間を通じて釣果を安定させる近道です。
総じて、冬〜春は「夜とマズメの浅場・キワ」、夏〜秋は「夜を軸に日陰とやや深いレンジ」という時間帯戦略が有効です。現地での一投目から魚の反応速度・バイトの強さ・触りの回数を観察し、その日の活性に合わせて「滞空時間(ステイ)」「巻き速度」「レンジ」を詰めていくと、短い時合でも取りこぼしが減ります。
潮と風の読み方
東京湾のカサゴ(ガシラ)は「底(ボトム)に張り付く根魚」で、人工護岸やテトラ帯、ケーソン周りの際(きわ)に着きます。そこで釣果を左右するのが潮の動きと風の当たり方です。潮でエサや小魚が動き、風で濁りと波が生まれる——この2つの要素が噛み合う時間帯を狙うのが、東京湾のカサゴ釣りで釣果を伸ばす最短ルートです。
事前準備としては、潮汐は海上保安庁 海洋情報部の潮汐推算、風・波は気象庁の予報を確認して、釣行当日の「潮回り」「転流時刻」「風向・風速」「波高・うねり周期」を具体的に把握しましょう。
参考:海上保安庁 海洋情報部/気象庁
潮回りと潮位の目安
東京湾のカサゴは、潮が適度に動くタイミングで口を使いやすくなります。大潮〜中潮は流れが効きやすく、エサが動きやすい一方、速すぎると根掛かりや仕掛けのコントロールが難しくなります。小潮〜長潮・若潮は流れが緩く、丁寧な誘いとポイント選び(障害物の陰や港内の潮通しの良い角)が鍵になります。
潮回り | 特徴 | 狙い方のコツ | 注意点 |
---|---|---|---|
大潮 | 干満差が大きく潮がよく動く | 下げ始め・上げ始めの「動き出し」にテキサスや胴突きを際へ落とし直下を小刻みに誘う | 流れが速い時間は7〜14g以上のシンカーでボトムを素早く取り直す |
中潮 | バランスが良く安定しやすい | 潮止まり前後±1時間を意識し、ストラクチャーの影・段差を重点的に打つ | 澄み潮時はシルエット小さめ・ナチュラルカラーで見せすぎない |
小潮 | 流れが緩くピンスポット勝負 | テトラの穴、岸壁の継ぎ目、スリットなど「動かない魚の居場所」を丁寧に攻める | 誘いはスロー、止めを長く。匂い系ワームやエサが有効 |
長潮・若潮 | さらに緩慢で日ムラが出やすい | 船ならピンで刻むテンポ、岸なら港口や運河の合流部など潮通しの一点 | 時合が短いので夜の満潮前後など時間帯を絞る |
実釣では「転流(潮が止まる)前後30〜60分」「上げ始め」「下げ始め」が勝負どころです。潮が速いときは重めのシンカーで直下をキープ、緩いときは軽めでステイ時間を長く取るなど、潮の速さに合わせてレンジと滞空時間を調整します。
潮位変化は安全面にも直結します。大潮の干潮では足元の根が露出しやすく、満潮時にはテトラや低い岸壁が波を被りやすくなります。夜釣りや雨後は特に、足場の水没や滑りに注意しましょう。潮位と転流時刻は海上保安庁 海洋情報部の潮汐資料なども役立ちます。
風向きと濁りの影響
風は「釣り場の向き」と「岸から見た風表/風裏」で影響が変わります。東京湾は南に開いた地形のため、南〜南西風は波と濁りを連れて入りやすく、北〜北西風は内湾で凪を作りやすい傾向です。濁りは「ささ濁り」がベスト、真っ茶な泥濁りは食いが落ちやすいです。
風向 | 湾奥(豊洲・有明・運河) | 西岸(川崎・横浜・金沢八景・横須賀) | 東岸(木更津・袖ケ浦・市原・富津) | 傾向と対策 |
---|---|---|---|---|
北〜北西 | 凪ぎやすく澄みやすい | 追い風〜横風で釣りやすい | 追い風〜横風で釣りやすい | 澄み潮対策に小さめシルエット、ダーク系やクリア系でスローに |
南〜南西 | 波立ちやすく濁りが入る | 向かい風になりやすく波っ気増 | 向かい風になりやすく波っ気増 | ささ濁りは好機。安全第一で足元の沈み根・スリット直下をタイトに |
東 | 横風でラインが流されやすい | 向かい風で表層が荒れやすい | 追い風で飛距離が出る | 風上側にキャストせず、風下の際へ落として縦の釣りを徹底 |
西 | 横風でラインメンディング必要 | 追い風で手返し良好 | 向かい風で波気 | 重めのシンカーでボトムキープ、ラインはドラグを締め気味に管理 |
風速は体感と安全に直結します。目安として、3m/s前後までは比較的コントロールしやすく、4〜6m/sは場所や足場を選べば可能、7m/s以上は岸釣りでは無理をしない判断が重要です。風が強い日はキャストを控え、真下に落とす「バーチカル」な攻めに切り替えると根掛かりも減り、アタリも取りやすくなります。
「風と潮の向き」が一致すると流れが強まり、逆になると波立つ割に底流は緩むことがあります。例えば南風+下げ潮(南向き)で流れが効く時間は、重めのシンカーで直下をテンポ良く打ち、北風+上げ潮(北向き)で風波だけ立つときは、護岸の陰や係留船の風裏でステイ時間を長く取るのが有効です。
うねりと波高の安全基準
波は「風波(その場で立つ短い波)」と「うねり(周期が長い波)」に分かれ、南寄りの強風や前線通過後は湾口から長周期のうねりが入り、外向きの堤防先端やテトラ帯で危険が増します。気象庁の波予報で波高と周期のセットを確認し、無理な釣行は避けましょう(参照:気象庁)。
指標 | 内湾の低い岸壁 | テトラ帯・外向き堤防 | 釣り運用の目安 |
---|---|---|---|
波高 0.3〜0.5m | 注意 | 警戒 | 足元に被る波を警戒。救命胴衣必須、立ち位置は余裕を持つ |
波高 0.5〜1.0m | 警戒 | 原則中止 | 転落・被波のリスク大。風裏や管理釣り施設を検討 |
うねり周期 8秒以上 | 間欠的に大きなセット波 | 非常に危険 | セットのタイミングが読みにくく、堤防先端・テトラは立ち入り回避 |
安全を最優先に、波・風・潮の「合わせ技」で判断しましょう。例えば、南西風6m/s・波高0.8m・上げ潮の満潮前は、足元を洗う波と押し波で極めて危険です。逆に、北風2m/s・波高0.2m・下げの動き出しなら、護岸の際で安定してボトムゲームが成立します。
当日の現場では、風裏の選択(建物や係留船の陰、湾奥の運河筋)、退避経路の確保、ライフジャケットの常時着用に加え、波のセット間隔を30秒ほど観察してから釣り座に立つ習慣を。最終的には「迷ったらやめる」判断が釣果以上の価値を生みます。
仕掛けとタックルの最適解
東京湾のカサゴは、堤防や護岸の「際」を正確に攻めるおかっぱりと、根周りをピンで打つ船釣りでアプローチが変わります。どちらも軽量で感度の高いタックルと、底を正確にトレースできる仕掛けが肝心です。ポイントは「底取りの速さ」と「根掛かり回避の操作性」を両立させること。以下ではスタイル別に、東京湾の実釣に合わせた最適解を具体的に示します。
おかっぱりタックルの基本
護岸の敷石やテトラ、桟橋の支柱まわりなど、近距離のストラクチャーを正確に撃つために、取り回しと感度のバランスが良いライトロック用のスピニングタックルが基準です。風や潮が効いている日は少し強めのセッティングに寄せると、根掛かりを減らしつつ手返しが向上します。
ロッドとリールとラインの組み合わせ
ロッドは6〜8フィート前後のL〜Mクラス、ファスト寄りのティップが底の段差や小さなバイトを拾いやすくおすすめ。リールは2000〜2500番のハイギアでラインスラッグ回収を素早く。メインラインはPE0.6〜0.8号が基準、初心者はナイロンでも扱いやすいです。
スタイル | ロッド長/パワー | リール番手 | メインライン | 想定ウエイト | 想定シーン |
---|---|---|---|---|---|
おかっぱり基準 | 7’0”〜7’6” ML | 2500番 HG | PE 0.6号 + フロロ12lb | 5〜10g(テキサス/ジグヘッド) | 常夜灯下、運河、護岸の際 |
風/流れに強め | 7’6”〜8’0” M | 2500〜3000番 HG | PE 0.8号 + フロロ14〜16lb | 7〜14g(貫通率重視) | 南風やうねり、深めの船溜まり |
手軽に始める | 6’6”〜7’0” ML | 2000番 | ナイロン 6〜8lb 直結 | 5〜7g(軽量リグ) | 足場良い公園、根が少ない岸壁 |
PEを使う場合は、風で糸ふけが出やすいのでハイギアのスピニングでラインスラッグを常に管理。障害物から一気に引き剥がせるドラグ設定(やや強め)も掛け損じを減らします。


リーダーと結束とシンカーの重さ
リーダーはフロロカーボン2.5〜4号(10〜16lb)を80〜120cm。感度と擦れ対策のバランスに優れ、護岸の敷石や貝類のエッジに強い長さです。結束は細径PEと相性の良いFGノットを基準にし、スナップは小型の強度タイプ(#00〜#0)で素早くリグ交換。
結束箇所 | 推奨ノット | 目安 | ポイント |
---|---|---|---|
PE-リーダー | FGノット / PRノット | リーダー80〜120cm | ガイド抜け重視。締め込み時は唾湿潤で摩擦熱回避 |
リーダー-スナップ | パロマー / クリンチ | 二重巻きで抜け防止 | 結束部の余長は3〜4mm残し、劣化前に結び直す |
フック直結 | 外掛け結び / 内掛け結び | 餌釣り時に有効 | ハリ軸とラインが一直線になるように締める |

シンカーは底取りの速さを優先して選びます。おかっぱりの基準は5〜10g、風や流れが強い日は14gまで。号数換算は1号=約3.75gです。
状況 | テキサス/バレット | ジグヘッド | ねらい |
---|---|---|---|
風弱く浅場(〜3m) | 5〜7g(1.5〜2号) | 3〜5g | スローに段差を舐める |
常夜灯下・中層絡み | 5g前後 | 5〜7g | リフト&フォールで食わせ |
潮速い/風強い | 10〜14g(3〜4号) | 7〜10g | 底取り優先、根越え重視 |
船釣りタックルの基本
船は縦の釣りで瞬時に底を取り直せることが重要。操作性重視のショートロッドと、ドラグ性能の良い小型両軸またはハイギアスピニングが扱いやすいです。メインはPE0.8〜1.2号、リーダーはフロロ16〜20lb前後が基準。
胴突きとブラクリの使い分け
根周りをテンポ良く探るなら胴突き、ピンのストラクチャーに差し込むならブラクリが有効です。潮が速い・船が流れる日は胴突きのシンカーを1段重くして底を滑らせないのがバラシと根掛かり回避のコツです。


リグ | 推奨ロッド | リール | ライン/リーダー | シンカー | 強み |
---|---|---|---|---|---|
胴突き(2本〜3本バリ) | 1.6〜1.9m ML〜M、先調子 | 小型両軸150/200番 | PE0.8〜1.0号 + フロロ16〜20lb | 15〜25号(約56〜94g) | 底取りが早く、手返し抜群 |
ブラクリ | 1.5〜1.8m M、張り強め | 小型両軸 or 2500番HG | PE1.0〜1.2号 + フロロ18〜20lb | 6〜12号(約22.5〜45g) | 障害物の隙間をピンで撃てる |
仕掛け図とハリ選び
胴突きの基本形は「幹糸→親子サルカン→ハリス(15〜20cm)×2〜3本→捨て糸→オモリ」。ハリス間隔は30〜40cmで、最下段の捨て糸は幹糸より細く(例:幹フロロ16lb、捨て糸12lb)して根掛かり時にオモリだけ切れる保険を掛けます。ブラクリはオモリ一体型に短ハリスで餌を目立たせ、ストラクチャーのキワへ垂直に落とし込むのが基本です。
ハリの種類 | サイズ目安 | 餌/ルアー適性 | 使いどころ |
---|---|---|---|
伊勢尼・丸セイゴ系 | 9〜12号 | アオイソメ、サバ切り身、オキアミ | 胴突き全般。吸い込み良く外れにくい |
チヌ針 | 1〜2号 | 房掛けイソメ、大きめ切り身 | 大型狙い、根の荒いポイント |
オフセット(ワーム用) | #2〜#1/0 | 2〜3インチワーム | テキサス/直リグで根掛かり回避 |
ジグヘッド(ロック用) | #4〜#2(3〜10g) | 2〜2.5インチワーム | 足元の落とし込み、ミドスト |
ルアーとエサの選び方
東京湾のカサゴは底生小魚や甲殻類を好み、夜間や濁りで活性が上がる傾向。ルアーは甲殻類系シルエットと波動、餌は臭いとボリュームで寄せるのが基本です。「見せて食わせる」クリア系と、「シルエットで気付かせる」濃色系を状況で素早く切り替えることで手返しよく数を伸ばせます。
テキサスリグとジグヘッド
テキサスは根周りのスリットや段差をタイトに攻められ、ジグヘッドは足元のストン落ちやショートレンジの水平スイミングが得意です。ワームは2〜3インチのホッグ/クロー/シャッド系が基準。バレットはタングステンでコンパクト化すると貫通力と感度が上がります。
リグ | シンカー/ヘッド | ワーム | 操作 | 強み |
---|---|---|---|---|
テキサス | 5〜10g(必要で14g) | 2.5〜3インチのホッグ/クロー | ボトムずる引き→小刻みシェイク→ステイ | 根越え性能が高く、段差に強い |
ジグヘッド | 3〜7g(風で10g) | 2〜2.5インチのシャッド/ピンテール | リフト&フォール、スローただ巻き | フォールでの食わせが速い |
直リグ/フリーリグ | 7〜14g | 3インチ前後全般 | 着底→ワンピッチリフト→ドリフト | 速い潮での底取りに優れる |
水色/明暗 | 推奨カラー | 解説 |
---|---|---|
クリア〜スケ濁り | クリア/スモーク/モエビ | 見せて食わせる。常夜灯直下で強い |
濁り/夜の護岸 | ブラック/グリパン/赤ラメ | シルエットで気付かせ、波動で寄せる |
アピール重視 | チャート/オレンジ/ケイムラ | 濁りや深場で存在感を出す |
アオイソメとサバ切り身とオキアミ
餌は匂いとボリュームで手堅く釣果を伸ばします。アオイソメは1〜2本の通し刺しや房掛けで長さを調整、サバ切り身は皮を残した短冊にして身側から刺して抜けにくく、オキアミはLサイズの尾を落としてまっすぐ刺すと回転を抑えられます。
餌 | 付け方 | フック相性 | 状況適性 |
---|---|---|---|
アオイソメ | 通し刺し/房掛け(先端チョン掛け併用) | 伊勢尼9〜11号、丸セイゴ10〜12号 | オールラウンド。食い渋りに強い |
サバ切り身 | 皮付き短冊、身側から縫い刺し | チヌ1〜2号/太軸推奨 | 濁り/大型狙い。餌持ち抜群 |
オキアミ | 尾切り→まっすぐ刺し | 丸セイゴ10〜11号/細軸 | 潮緩い時の食わせ。ナチュラル重視 |
餌・ワームいずれも、手返し向上のために匂い系集魚剤や粉末の塩締めで耐久性を上げると効果的です。「底取りが速い重さ」から始め、根の荒さや反応に応じて軽くしていく下方向のチューニングが、根掛かりを抑えつつバイトを最大化する王道の組み立てです。
釣り方の基本と誘いのコツ
東京湾のカサゴは「底(ボトム)」「障害物の際(キワ)」「流れのヨレ」に着くことが多く、狙いどころとアプローチが明確です。まずは着底を正確に把握し、ラインスラック(糸ふけ)を管理しながら、短い移動距離でレンジ(底周辺)を長く見せることが釣果の分岐点になります。以下では、おかっぱり・船を問わず有効な操作を中心に、東京湾特有のストラクチャーに合わせた実践的な手順をまとめます。
際狙いとボトム攻略
カサゴはテトラ帯、護岸のケーソン目地、桟橋の脚まわり、係留船の陰、捨て石やゴロタの段差、人工ブロックの隙間などの「壁」「角」「溝」に身を寄せます。キワ10〜50cmのゾーンに仕掛け(ルアーやエサ)を正確に通し、着底→小さなリフト→ステイ(ポーズ)を基本サイクルにすると効率よく口を使わせられます。
基本動作は次の通りです。着底を感じたら1〜2回のショートリフト(5〜15cm)→ステイ(2〜5秒)→ズル引きやボトムバンピングで「コツコツ」と底質を確認→カーブフォールまたはテンションフォールで再着底。流れがあるときは潮上から入れてドリフトさせ、ルアー(またはエサ)が自発的にストラクチャーへ寄る角度を作ると根掛かりを抑えつつ食わせの間を作れます。
誘いパターン | 操作の要点 | 効果・ねらい | 使う場面の目安 |
---|---|---|---|
リフト&フォール | ティップで5〜15cm持ち上げ、ラインテンションを保ったままフォール。着底即ステイ。 | 底を切りすぎずにアピール。リアクション狙い。 | 日中のタフな時間、潮が緩いときのピン撃ち。 |
ボトムバンピング | 小刻みシェイクでシンカーを点接地。移動距離は極小に。 | 甲殻類(カニ・エビ)を演出。根の上でも見切られにくい。 | テトラ帯や捨て石、ゴロタの段差。 |
ズル引き | ライン角度を立ててゆっくり引き、ストップ&ゴーを織り交ぜる。 | 砂泥と岩の境目、溝(ブレイク)を長く通せる。 | 広い護岸・岸壁でサーチ。夜の広範囲チェック。 |
テンション/カーブフォール | 張りを保ちつつ落とし、着底を明確化。糸ふけは最小限。 | 「コッ」や「スーッ」としたアタリを取りやすい。 | 風がある、流れが速い、足場が高い場面。 |
フリーフォール+ステイ | あえて糸ふけを出し、底で2〜5秒待つ。 | 食い渋り時の食わせ間。夜の壁際で効く。 | 濁りが強い、低水温、プレッシャーが高いとき。 |
底質と地形の変化も重要です。砂泥〜砂地に点在する岩、捨て石の切れ目、船道のブレイクやスリット(溝)を跨いだ瞬間に反応が出やすいので、ティップに伝わる「コツコツ」「ヌメッ」としたボトム情報を常にメモする意識で数メートル単位のラインを丁寧に刻みましょう。風が強い日は風裏を選び、PEライン使用時はリーダー(フロロカーボン)で耐摩耗性を確保しつつ、ライン角度を立てて縦の釣りを徹底すると根ズレに強くなります。
根掛かり回避と回収のコツ
カサゴは根の中にいるため根掛かりは避けられませんが、「避ける工夫」と「外す技術」を身につければ、仕掛けのロスも魚のチャンスロスも大幅に減らせます。
- キャスト角度の最適化:ストラクチャーに対して平行気味に通すと、段差にスタックしにくく回収角が作れます。潮上から入れてドリフトさせると、自然に角を舐める軌道になりやすいです。
- 移動距離の制御:リフト幅を小さく、ステイを長く。斜め引きで根に突っ込むより、縦の上下動で「その場で見せる」イメージが安全です。
- シンカー調整:流れが速い・足場が高いときは重め、根が荒い場所は一段軽くして接地時間を短縮。レンジキープとボトムコンタクトのバランスが鍵です。
- フック姿勢:オフセットフックやガード付き形状はスタック軽減に有利。針先はワームに軽く埋め、ハリ先は都度チェックして鈍りは即交換。
根掛かり時の外し方は、まず慌てずに位置関係をリセットします。一歩(船なら1〜2m)移動して角度を変え、軽くテンションをかけながらティップで「トン・トン」と揺すると抜けることが多いです。ラインを一瞬緩めてから素早く張る(スラックショック)と、引っ掛かりの向きが反転して外れる場合もあります。最悪の場合は、テンションを一定に保ってゆっくり引き、捨て糸構成ならシンカーのみを犠牲にして回収します。
- やってはいけない例:力任せに真上へ煽る/高く竿を立てたままゴリ巻き。これは根に余計に食い込み、ライン破断やロッド破損の原因になります。
- 回収後は必ずフックポイントとリーダーの傷を確認。根ズレ痕があれば結び替え、耐摩耗性を回復させてから再開します。
アタリの見分け方とフッキング
カサゴのアタリは明確な「コン」だけではありません。「モゾ」「ヌーッと重くなる」「フォール中に止まる」などの微細な変化までアタリとして拾い、状況に合わせた合わせ(フッキング)を使い分けることで、飲み込みやすっぽ抜けを減らせます。ドラグは軽くジリッと出る程度(突っ込みで滑る設定)で、ティップで聞きつつ主導権を与えすぎないのが基本です。
アタリの出方 | 見極めポイント | 最適な対処・合わせ | ミスを防ぐコツ |
---|---|---|---|
明確な「コン」「ガツッ」 | ティップに瞬間的な反発。ラインがわずかに走る。 | 即アワセ(ショートストローク)。ティップを素早く立ててから巻き合わせ。 | フックポイントの露出確認。ドラグは滑りすぎないよう1/4回転締め。 |
モゾモゾ/重くなる | 根掛かりと誤認しやすいが、わずかに生体反応。 | 聞き合わせ(軽く持ち上げて重みを確認)→重ければスイープで乗せる。 | 一拍置いてから。ステイを2〜3秒追加して食い込みを促す。 |
フォール中に止まる | ラインスラックの出方が変化、沈下が途中で止まる。 | テンションを掛けて重み確認→スイープフッキング。 | 常にラインの出を目視管理。風下にラインを流しすぎない。 |
ステイ中に違和感 | ティップが微振動、ラインがわずかに震える。 | 5〜10cmだけショートリフト→乗れば巻き合わせ。 | ステイを長めに取り、ポーズ中も集中して感度を保つ。 |
合わせた後は、根の中へ潜られないように最初の数秒が勝負です。ロッドを寝かせて横方向にいなすのではなく、ティップを立てて魚を根から浮かせることを優先し、根ズレの危険があるときはドラグを締め気味にして一気に主導権を取ります。足場が高い釣り場では抜き上げの瞬間にバラシやすいので、最後の足元は「手前でいったんステイ→頭をこちらに向けてから抜く」か、可能ならタモ入れで確実に取り込みましょう。
バイトが遠いときは、カラー(濁り時は黒やグリーン系、クリア時は自然色)や匂い付きワーム/エサのローテーション、シンカーの重さを一段軽くする、リグの姿勢を変える(ジグヘッドからテキサスなど)といった微調整で「滞空時間」と「姿勢」を最適化すると、同じ場所でも反応が一変します。「底に触れる」「ゆっくり見せる」「食わせの間を作る」—この3点を一投ごとに検証する姿勢が、東京湾のカサゴ攻略の近道です。
東京湾おかっぱりポイント厳選
ここでは、東京湾の代表的な護岸・防波堤をエリア別に厳選して紹介します。各ポイントの足場や水深、潮通し、混雑時間帯、設備、そしてカサゴに効く仕掛け・誘い所まで、現場で役立つ視点で整理しました。なお、釣り場の開放状況や禁止事項は変わることがあるため、釣行前に必ず公式情報と現地掲示を確認し、立入禁止や危険行為は絶対にしないでください。
東扇島西公園と川崎新堤周辺
川崎エリアは工場地帯に面しており、消波ブロックや護岸の継ぎ目、ケーソンの穴など「カサゴの着き場」が豊富です。東扇島西公園は手すり付きの護岸が中心でファミリーにも人気。一方、川崎新堤は渡船で渡る外海向きの防波堤で潮通しが抜群、根周りの変化で良型が混じります。どちらもボトムと際のタイトな撃ち分けが釣果を左右します。最新の開放状況・ルールは川崎市 東扇島西公園(公式)で必ず確認してください。
項目 | 東扇島西公園 | 川崎新堤周辺 |
---|---|---|
アクセス | 陸っぱり可。駐車や開放時間は公式案内を随時確認。 | 渡船利用が基本。渡船業者の安全規定・乗降時間を厳守。 |
足場 | フラットな護岸と手すりが中心。テトラ帯は立入禁止区画に注意。 | 高い堤面や段差あり。滑りやすい箇所が多くスパイク必須。 |
水深・地形 | 足元から深く、ケーソン継ぎ目・捨て石の段差が点在。 | 外向きで潮通し良好。根・カケアガリが明確で落差がある。 |
潮・風の傾向 | 上げ潮で足元にベイト寄りやすい。強風時は波気と濁りに注意。 | 横風強い日はラインコントロールが難しい。うねり時は無理をしない。 |
狙い所 | 護岸の際10〜50cm、継ぎ目、敷石の段差。根掛かり上等でピンを打つ。 | 堤防のコーナー、段差の下、消波ブロックの切れ目、影の境界。 |
推奨リグ | 3〜7gジグヘッド+ワーム2〜3インチ/5〜10号ブラクリ/7〜14gテキサス。 | 7〜10号胴突き(エサ)/10〜18gテキサス。濁り時はアピール強め。 |
エサ・ルアー | アオイソメ短く挿す、イカ短冊、ガルプ系匂い付きワームが効く。 | サバ切り身で大型実績。強波動ワーム(クロー系)でリアクション。 |
混雑 | 休日の朝夕は混雑。釣り座間隔・キャスト方向の声かけ必須。 | 人気コーナーは早朝から埋まる。渡船の便に合わせて計画的に。 |
設備・注意 | トイレ・照明は状況により異なる。夜間・開放時間のルール順守。 | ライフジャケット必須。渡船の指示・悪天候中止判断に従う。 |
テクニックの要点は「静かに落として止める」。際の50cm四方を刻むイメージで、1カ所につき5〜15秒のステイを入れ、アタリが無ければ30〜50cmスライド。根掛かり回収はラインを弾く前に「進行方向と逆へ優しく押し出す」が基本です。
横浜フィッシングピアーズ(本牧・大黒・磯子)
いずれも管理型の海づり施設で、足場・フェンス・トイレ・売店などが整い、初心者やファミリーにも安心。カサゴは桟橋の支柱やケーソン際、敷石の段差に着くため、足元特化の胴突き・ブラクリ、軽量テキサスの「落とし込み」が最短距離です。営業状況・ルール・混雑情報は横浜フィッシングピアーズ(本牧・大黒・磯子)で確認のうえ計画しましょう。
項目 | 本牧海づり施設 | 大黒海づり施設 |
---|---|---|
釣り座の特徴 | 桟橋の支柱・継ぎ目が連続。足元に魚影が濃い。 | 岸壁沿いのカケアガリと敷石の段差。角は回遊・居着きが交差。 |
水深・地形 | 手前から深い。支柱の陰が日中のシェードに。 | 潮通しが良く、濁りが入ると活性が上がりやすい。 |
ベスト条件 | 上げ潮の動き出し。早朝・夕まずめ・常夜灯が効く。 | 小潮〜中潮で横流れ弱めの日。風弱く波気が少ない日。 |
推奨仕掛け | 5〜8号胴突き(ハリ1〜2本)+オモリ10〜15号/ブラクリ5〜8号。 | 3.5〜7gジグヘッド+ロック用ワーム/7〜10gテキサス。 |
エサ・カラー | アオイソメ房掛けでアピール。ワームはブラウン・オレンジ。 | サバ切り身で大型狙い。濁り時はブラック・パープルが強い。 |
安全・マナー | 施設ルール(投げ釣り制限、釣り座間隔、ゴミ持ち帰り)を厳守。ライフジャケット着用推奨、子どもは必須。 |
攻略のコツは「真下を縦に釣る」。支柱1本ずつに落とし、テンションフリーでフォール→ボトムで1〜2回小突いて5秒待つ→無ければ次の支柱へ。アタリは「コツン」「重みが乗る」など微細なので、感度の良いカーボンソリッド穂先が活きます。
本牧
大黒
磯子
金沢八景周辺と福浦岸壁と野島防波堤
金沢八景周辺は運河・内湾・外向きの防波堤がコンパクトにまとまり、季節や風向きで釣り分けができるのが魅力。野島防波堤は渡船で渡る名礁級のハードボトムで、冬〜春の良型実績が高い一方、天候と足場のリスク管理が必須です。福浦岸壁は長期の立入禁止区間や制限が続くことがあるため、現地掲示・行政情報の最新状況に従い、無理な侵入は絶対にしないこと。
スポット | アクセス/足場 | 水深・地形 | 有利条件 | 有効リグ/エサ | 注意点 |
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金沢八景周辺護岸 | 陸っぱり。護岸はフラットだが一部段差・敷石あり。 | 運河側は中〜浅め、捨て石の段差と橋脚の陰に着く。 | 風弱い日、上げ潮でベイト入るタイミング。 | 3〜5gジグヘッド+ワーム、5〜7gテキサス、アオイソメ。 | 係留船・ロープ周りは立入・キャスト禁止。夜間は静音・防犯意識。 |
福浦岸壁 | 陸っぱりの代表格だが、立入禁止区間がある。 | 外向きは水深あり、敷石の段差が連続。 | 濁りが入った日、夕まずめの駆け上がり。 | ブラクリ5〜8号、10g前後テキサス、サバ切り身。 | 禁止区画・駐車規制・時間制限を厳守。最新情報を必ず確認。 |
野島防波堤 | 渡船のみ。高所・テトラ有り、滑り止め靴と救命具必須。 | 起伏の大きいハードボトム。カケアガリ明確。 | 凪の日の夜〜朝まずめ、潮位変動が大きい日。 | 7〜14gテキサス+クロー/ホッグ、胴突き+イカ短冊。 | 強風・うねり時は中止。荷物は最小限で両手フリーを確保。 |
いずれの場所でも、狙いは「護岸の継ぎ目・敷石の段差・人工構造物の影」。リグは軽すぎると風に負け、重すぎると根掛かり増。底を感じて一歩上を引けるギリギリの重さに調整し、縦のストップと小移動の繰り返しが鉄則です。
福浦岸壁
野島防波堤
渡し船については次の村本海事さんを参考にすると良いです。
東京湾奥の運河と豊洲ぐるり公園と有明周辺
湾奥運河帯は常夜灯や護岸の凹凸、桟橋の支柱が多く、冬〜春でも水温が安定しやすいのが強み。カサゴは足元の「暗がりと境目」に着くので、夜は特に足元特化のショートレンジ戦が有効です。豊洲ぐるり公園は釣り可能エリアやルールが定められているため、事前に豊洲ぐるり公園(公式サイト)を確認してください。
スポット | 足場/照明 | 狙い所 | タックル/リグ | ベストタイミング | 留意点 |
---|---|---|---|---|---|
湾奥の各運河(晴海・芝浦・港南など) | フラット護岸中心。常夜灯多いが暗所も点在。 | 常夜灯の明暗、橋脚、梯子、排水口周り、敷石の段差。 | UL〜Lロッド+PE0.6号前後、3〜5gジグヘッド/5〜7gテキサス。 | 上げ始め〜満潮前後、風穏やかな夜。小雨の濁りも好機。 | 係留船・航路優先。投げ釣り禁止区画あり。静音・ライトマナー徹底。 |
豊洲ぐるり公園 | 足場良好・手すりありの区画が中心。照明あり。 | 手すり基礎の影、護岸の継ぎ目、岸壁の直下50cm。 | 胴突き5〜6号+オモリ8〜12号/ブラクリ5〜7号。 | 夕まずめ〜夜。上げ潮でベイト寄りやすい。 | 釣り可能エリアと禁止事項(投げ・場所取り等)を遵守。ゴミは必ず持ち帰る。 |
有明周辺の護岸 | フラット多いが工事・イベントで制限が変動。 | 護岸の角、梯子、排水のカレント、捨て石の段差。 | 3〜5gジグヘッド+虫系/ホッグ系、短いアオイソメ。 | 風弱い夜〜朝まずめ。小潮〜中潮で流れが穏やか。 | 立入禁止や駐停車規制に注意。現地掲示の最新情報を確認。 |
共通の攻め方は「足元の点打ち→横移動の面」。1カ所で粘りすぎず、5〜10mを小移動して生きたストラクチャーを探すのが効率的。ヘッドやシンカーの重さは風速・水深で微調整し、ボトムを感じ続けることが釣果の最大要因です。また、ヘッドのフックゲイブはやや広め、ハリ先は常に研いで貫通力を維持しましょう。
豊洲ぐるり公園

東京湾の船宿と船釣りの楽しみ方
東京湾のカサゴは、乗合船・仕立船ともに人気ターゲットで、根回りやストラクチャーを短時間で効率よく回れるのが船釣りの強みです。手返しの良さ、安定した魚影、そして四季を通じて狙える点が魅力で、初心者からベテランまで楽しめます。はじめてなら「カサゴ専門便」や「根魚五目(カサゴ主体)」の半日便を選ぶと、道具・エサ・ポイント選択を船長が最適化してくれるため失敗が少なく、安全面のサポートも受けられます。
出船時間と料金とレンタル
出船時間や料金、レンタル内容は船宿ごとに異なります。ここでは一般的な目安を示します。実際の条件は必ず各船宿で最新情報を確認してください(天候・潮・乗合人数で変更される場合があります)。
便区分 | 集合時間の目安 | 出船時間の目安 | 沖上がりの目安 | 備考 |
---|---|---|---|---|
午前便(半日) | 出船の30〜60分前 | 早朝〜午前中 | 昼前後 | 初心者・ファミリーに人気。風が強まる前に帰港できることが多い。 |
午後便(半日) | 出船の30〜60分前 | 正午過ぎ〜午後 | 夕方 | 午後の潮や夕まずめを絡めやすい。 |
夜便(ナイト) | 出船の30〜60分前 | 夕方〜夜 | 夜間 | 暗所に寄る個体を狙える。防寒・ライト・視認性の確保が重要。 |
一日便 | 出船の30〜60分前 | 朝 | 夕方 | 広範囲に探索。体力配分と酔い止めの準備を。 |
料金はエリア・船の規模・サービスにより変動しますが、乗合の半日便は相場として数千円台後半〜1万円前後に収まることが多く、エサや氷が含まれる場合と別料金の場合があります。「含まれるもの(エサ・氷・仕掛け・乗船保険)」と「別料金(レンタル・追加仕掛け・長靴やレインウェア)」の内訳を予約時に必ず確認してください。
項目 | 目安 | 注意点 |
---|---|---|
乗合(半日) | 数千円台後半〜1万円前後 | エサ・氷の有無、割引(女性・中学生以下)設定の確認。 |
乗合(夜便) | 半日便と同程度〜やや高め | ライト必携、冬季は防寒強化。集合・解散が遅くなる。 |
仕立(貸切) | 人数・時間で変動 | 最低人数料金が設定されることが多い。コースの自由度が高い。 |
レンタル(竿・リール) | 有料の場合あり | 数に限りあり。事前予約推奨。右左巻きの希望は予約時に。 |
ライフジャケット | 着用必須 | 貸出の有無を確認。桜マーク品推奨。サイズ合うものを準備。 |
予約は電話・Webフォーム・SNSなどが一般的。満席になりやすい週末や連休は早めの確保が安心です。前日の天候判断や出船可否の連絡方法(電話/メール/SNS)も確認しましょう。支払いは現金のほかキャッシュレスに対応する船宿もありますが、当日のトラブルを避けるため支払方法とキャンセル規定は必ず事前に確認してください。
受付〜出船の流れは、駐車→乗船名簿記入→受け付け・支払い→レンタル受取→乗船が基本。クーラーボックス(持ち帰り用)、酔い止め、割れにくい仕掛けケース、小分けのエサ入れ、濡れても良い防寒・レイン対策があると快適です。
羽田沖と川崎沖と八景沖の実績エリア
東京湾のカサゴは、護岸やバース、ケーソン、捨て石、人工リーフなどのストラクチャーに付く習性が強く、羽田沖・川崎沖・八景沖は乗合船でも狙うことの多い定番海域です。以下は特性の目安で、当日の選択は風向・潮流・濁り・船の混雑状況で大きく変わります。
項目 | 羽田沖 | 川崎沖 | 八景沖 |
---|---|---|---|
水深の目安 | 浅場〜中深場(例:一桁〜20m台) | 中深場中心(例:10〜20m台) | 変化に富む(例:一桁〜30m前後) |
地形・ストラクチャー | 護岸・捨て石・航路脇の段差 | 工業地帯のバース・係留施設周り | 岩礁帯・根・人工リーフ・テトラ外側 |
潮の癖 | 潮位差の影響を受けやすい | 反転流やヨレが出やすい | 複雑だが風裏を取りやすい |
狙い方のキモ | 「際」と段差の落ち込みをタイトに | ストラクチャーの角・影を丁寧に | 根の上を這わせ、変化で間を入れる |
サイズ傾向 | 数主体で手返し勝負になりやすい | コンディションの良い個体混じる | 良型のヒットが期待できる |
実釣では、船長の合図で素早く着底を取り、底質の変化や根の段差を「聞きながら」仕掛けを安定させます。ストラクチャーに対して仕掛けをタイトに通しつつ、オマツリ(お祭り=糸絡み)を避けるためラインは真下に落とし、必要に応じてシンカーを重くする判断が重要です。アンカリングで腰を据える場合と、潮や風に合わせて流し替える場合があり、どちらも船長の指示通りにタナを取り直すことが釣果の差に直結します。
濁りが入った日や小潮で流れが緩い日はエサのアピール(サバ切り身の幅を広めに、アオイソメを長めに付けるなど)で見せ、澄み潮やプレッシャーが高い日はシルエットを絞って違和感を減らします。船が密集する週末は小移動や角度の工夫が効き、手返しの速さが釣果を押し上げます。
置き竿と誘いの使い分け
船のカサゴは「底に置いて待つだけ」になりがちですが、状況に応じた使い分けが釣果の差を生みます。基本は着底直後に糸フケを取ってゼロテンション〜軽いステイ、誘いは最小限から始め、日やポイントごとに強弱を調整します。
状況 | 推奨アプローチ | 操作の具体例 |
---|---|---|
潮が緩い/濁りあり | 置き竿主体+長めのステイ | 着底→糸フケ回収→竿先を安定→10秒前後の間を入れて聞き上げ |
潮が速い/二枚潮気味 | 積極的に底ダチ取り直し | 5〜10秒ごとに底取り、シンカー増量でラインを立てる |
根が荒い/段差が多い | 小突き少なめで這わせ気味 | 5〜10cmの微振動→1〜2秒ステイ→ズル引き→再着底 |
食い渋り | 違和感を徹底排除 | ハリスを短くし過ぎない、エサを小さめに、聞き上げはスロー |
活性が高い | 手返し重視で数を伸ばす | 即掛けのフッキング→魚の暴れをいなして素早く取り込み |
胴突き仕掛けでは、底から数センチ〜十数センチの範囲をキープし、根にスタックしない角度を維持します。アタリは「コツ」や「モゾ」で出ることが多く、聞き上げて重量感が乗れば、止めてからスッと掛けるのが基本。乗らない場合はエサの先端だけ吸っていることがあるため、エサの付け方(幅・長さ・皮目の向き)を見直します。
船内のマナーとしては、取り込み時は周囲に声をかけ、タモが必要なら早めに合図。オマツリ時は無理に引っ張らず、仕掛けを切る・回収する判断を船長と相談します。安全最優先で、立ち位置の移動や船縁での前傾姿勢は慎重に。ライフジャケットは常時着用し、夜便ではヘッドライトで手元と足元の視認性を確保してください。
釣果アップの小技
東京湾のカサゴは「根回りで待ち伏せして瞬間的に食う」性質が強いため、見せ方と当て方を微調整できる小技の積み重ねが釣果差になります。ここでは、おかっぱり・船を問わず効く実践的なテクニックを、色・重さ・匂いの3方向から整理して解説します。
ワームのカラーローテーション
カサゴはストラクチャーの陰やボトムに張り付くことが多く、潮位・濁り・光量で見え方が大きく変化します。まずは「濁りに強い高アピール」「澄み潮に効くナチュラル」「夜の常夜灯下で効く発光・明滅」という3軸で組み、手返し良くローテーションしましょう。
同じコースを3投ごとに色を替える「3投1色ルール」で、反応が出る色とレンジを早期に特定することが、短時間で釣果を伸ばす最短ルートです。
水色・濁り | 時間帯/光量 | 主なシチュエーション | 推奨カラー例 | ねらいの効果 |
---|---|---|---|---|
強濁り(雨後/南風後) | 昼〜夕まずめ | 護岸の際/テトラの影/ケーソン継ぎ目 | チャート、オレンジ、黒(シルエット強調) | 視認性アップと輪郭強調でショートバイト回収 |
やや濁り | 朝まずめ/曇天 | 運河の橋脚/係留船のキワ | グリーンパンプキン、レッドフレーク、ブラウン | ナチュラル+ラメで存在感と自然さの両立 |
澄み潮 | 日中/快晴 | 堤防のスリット/馬の背の上 | クリア、スモーク、エビ系ナチュラル | 違和感低減で見切り対策、スロー展開に強い |
澄み〜やや濁り | 夜/常夜灯下 | 常夜灯の明暗境目/船影 | グロー(点発光)、ケイムラ、白 | 明暗の境で明滅を作り抱持時間を延ばす |
ローテーションのコツは「外しやすい色から入る」こと。最初にチャートや黒で輪郭を見せ、反応が弱ければトーンダウンしてナチュラルに寄せます。夜の常夜灯周りは、点発光のグローでフォールを長めに見せ、ステイで食わせると乗りやすくなります。
- シルエット重視の日は、黒やダーク系で「影」を見せる。
- ベイトがアミ・小魚なら、クリア+ラメやスモークで「明滅」を演出。
- ショートバイトが続くときは、ワームサイズを1段落として尻尾の抵抗を減らし、沈下速度を上げて根周りへ速く入れる。
- 根をタイトに攻めるときは、パドルからホッグ/クロー系に替えてシルエットを落とすと根掛かりも軽減。
カラーで反応が出たら、同色系で濃淡のみを変えて「追い込み」ます。たとえばグリーンパンプキンで触る→同系のレッドフレークへ、のように微差を詰めるのが有効です。
シンカーの重さ調整とレンジキープ
カサゴはボトム〜ボトム上数十センチに明確なヒットレンジを持ちます。根掛かりを恐れて軽くし過ぎると底取りが曖昧になり、逆に重過ぎるとアタリを弾く。着底が「トン」と明瞭に伝わり、ライン角度が45度以内で保てる重さが基準です。
状況 | 水深の目安 | 風/潮 | おかっぱり推奨(ジグヘッド/テキサス) | 船推奨(胴突きオモリ) |
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港内/運河の護岸 | 3〜6m | 微風・緩潮 | 3〜7g | — |
堤防先端/テトラ帯 | 5〜10m | 普通〜やや速い | 7〜14g | — |
浅場カサゴ船 | 10〜20m | 普通 | — | 15〜25号 |
潮速い/深場 | 20〜40m | 速い | — | 25〜40号 |
おかっぱりでは、底を切り過ぎないよう「リフト&フォール+1〜2秒ステイ」で常に着底を確認。根が荒いエリアは、シンカーを1段重くしてラインを立て、斜め引きの滞在時間を短くすると根掛かりを減らせます。二枚潮や横風でラインが膨らむ日は、ラインメンディングで糸フケを取りつつ、思い切ってシンカーを+2〜3g(船は+5号)上げるのが最短解です。
- 「着底が遅い=軽すぎ」のサイン。1投で調整し、3投以内に最適解へ。
- 根掛かり回避には、リフトを短く(20〜30cm)小刻みに。障害物を跨いだら素早くフォールで落とし込む。
- ミスバイト増加時は、重さを1段軽くしてフォール速度を落とし、ステイ時間を長めに取って抱かせる。
- 船でオマツリが増えるときは、隣との角度差を作るためにオモリを±5号で調整して流しに同調。
レンジキープの決め手は「同じコースを同じ速度で通す」こと。ヒットが出たらタナ(底からの高さ)と回収までのカウントを必ず記憶し、再現性を高めましょう。
匂いと集魚剤の使い方
低水温や澄み潮、プレッシャーが高い場面では、匂いで抱持時間を延ばすことが効果的です。エサ釣りはもちろん、ルアーでもフォーミュラ(匂い付きオイル/ジェル)を活用すると、ショートバイトをフックアップに変えられます。
「寄せる」よりも「離さない」を狙って、匂いはポイント到達前にワームやエサへ馴染ませ、フォール〜ステイで口を使わせるのが基本です。
目的 | 推奨手法 | タイミング | 注意点 |
---|---|---|---|
抱持時間アップ | ワームに甲殻/魚粉系フォーミュラを薄く塗布 | 10〜15投ごと/バイトが出始めた直後 | 塗り過ぎはベタつきでフックポイントが甘くなる |
存在感の付与 | 汁系ワームやエビ粉配合のエサを使用 | 夜、濁り、潮止まり前後 | 汚れや廃液は必ず持ち帰る(釣り場美化) |
エサの耐久性向上 | サバ/イカの切り身を軽く塩締め | 投入前に5〜10分 | 塩は薄めに。硬すぎると食い込み低下 |
- アミ系の匂いは澄み潮・常夜灯の明暗で有効。甲殻類系はテトラの影やゴロタで強い。
- 塗布面はフックポイントと反対側に。刺し口付近は薄塗りで貫通力を確保する。
- エサは水分を拭き取ってから浸透させると、キャストや底取りでズレにくい。
- 強風・波っ気がある日は匂いが拡散しやすいので、塗布間隔を短く(5〜10投ごと)にする。
匂いは「強さ×持続時間×ワーム/エサの動き」の掛け算です。フォールを長めに取り、ボトムで2〜3秒のステイを入れることで、匂いと視覚の両方で食わせの間を作りましょう。
持ち帰りと下処理と料理
東京湾で釣ったカサゴ(ガシラ)は、締めと血抜き、適切な冷却・持ち帰り、台所での下処理と火入れで味が大きく変わります。ここでは、初めてでも再現できる手順と、鮮度を落とさずに旨味を最大化する実践的なコツをまとめます。
神経締めと血抜きと冷やし方
釣れた直後に「締め→血抜き→急冷」を行うと、臭みの原因となる乳酸やドリップを抑え、身質と保存性が飛躍的に向上します。おかっぱり・船釣りともに現場での初動が最重要です。
工程 | 主な道具 | 具体的なやり方 | 目安 | 注意点 |
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活け締め(脳締め) | フィッシュピック(銛状ピック)または小型アイスピック | 頭頂部から目の後方に向けてピックを刺し、延髄を一撃で止める。体の痙攣が収まる。 | 即時 | 滑り止め付きグローブを使用。背ビレの棘に要注意。 |
神経締め | 神経締めワイヤー(0.8〜1.0mm前後) | 尾側または頭側から背骨の神経孔にワイヤーを通し、頭から尾まで数回往復させる。 | 30〜60秒 | 無理に押し込まず、通る角度を探る。身割れ防止に小刻みに。 |
血抜き | はさみ・ナイフ、海水入りバッカン | エラ膜(赤い部分)をはさみで切る。加えて尾の付け根を3〜5mmほど切り、海水に浸けて泳がせる(ポンプがあれば循環)。 | 3〜5分 | 真水に長時間浸けない。浸透圧で旨味流出の原因。 |
急冷(海水氷) | クーラーボックス、氷、海水 | 氷6〜7:海水3〜4の割合でスラリー状にし、魚体全体を浸して0〜1℃を保つ。 | 持ち帰りまで継続 | 氷が直接擦れ続けると「氷焼け」。袋やトレーで魚体を保護。 |
クーラー運用の基本は、直射日光を避け、フタの開閉回数を減らすこと。容量は日帰りの岸釣りで12〜20Lが扱いやすく、氷や保冷剤はクーラー容量の少なくとも3割、真夏は5割を目安に用意します。魚はキッチンペーパーで水気を拭いてからフリーザーバッグに入れ、スラリー層に沈めるとドリップを最小化できます。
生食(刺身など)は寄生虫リスクへの理解が前提です。アニサキス対策としては十分な冷凍(目安:-20℃で24時間以上)が推奨されていますが、家庭用冷凍庫は到達・保持に時間がかかる場合があります。最新の注意点は厚生労働省の解説(アニサキスによる食中毒を予防しましょう|厚生労働省)が参考になります。
基本方針は「つけない・増やさない・やっつける(加熱)」です。帰宅後は速やかに冷蔵0〜4℃で保管し、なるべく当日〜翌日中に加熱調理でいただきましょう。
三枚おろしと唐揚げと煮付け
カサゴは棘が鋭く、背ビレ・腹ビレ・胸ビレの棘で手を傷つけやすい魚です。すべり止め付きのフィッシュグリップと厚手のキッチングローブを用い、作業台はすべり防止マットを敷いて安全第一で進めます。
下処理(エラ・内臓・血合い除去)と「霜降り」を丁寧に行うことで、臭みを抑え、煮崩れや身離れの悪さを解消できます。
下処理の手順(共通):うろこ取り→エラぶたを開いてエラを根元からはさみで切り落とす→腹を肛門側から浅く開いて内臓を取り出す→腹腔内の黒い膜(腹膜)と血合いを歯ブラシやスプーンでこそげ洗う→キッチンペーパーでしっかり水気を拭く。煮付けにする個体は皮の縮み防止に皮目へ浅い切り込みを2〜3本。
三枚おろし:頭を落として中骨の上を背側から包丁で滑らせ、尾まで一気に引く。反対側も同様にして二枚おろし→中骨から身を外して三枚に。腹骨はすき引きし、血合い骨は骨抜きで丁寧に抜く。皮は唐揚げなら残して旨味を活かし、煮付けなら残すか、刺身や湯引きの場合は引いてもよいです。
料理 | 下ごしらえ | 火加減・時間の目安 | 仕上げのコツ |
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唐揚げ(定番) | 三枚おろしの身は食べやすく切る。塩少々をふって5分置き、水気を拭く。下味は酒・しょうゆ各小さじ1、すりおろし生姜少々(1人前)。片栗粉を薄くまぶす。 | 1度目:160〜170℃で2〜3分(低温で火入れ)/2度目:180℃で30〜60秒(高温でカリッと) | 粉は薄く、余分をはたく。揚げ過ぎはパサつきの原因。中骨やヒレは160℃でじっくり→180℃で骨せんべいに。 |
煮付け(王道) | 下処理後、霜降り(熱湯を回しかけ→氷水にとる→残ったうろこ・ぬめりを落とす)。水気を拭く。 | 煮汁を沸かしてから魚を入れ、中火で落とし蓋。7〜10分(20〜25cm級1尾の目安) | 煮汁をスプーンで回しかけ、最後に1〜2分煮詰めて照りを出す。皮目の切り込みで煮崩れ防止。 |
煮汁の基本比率(目安):水(またはだし)2、酒1、みりん1、しょうゆ1に砂糖小さじ1〜2(2人前相当)。生姜の薄切りを加えると磯の香りがまろやかになります。辛口が好みならしょうゆをやや増やし、甘めならみりん・砂糖を調整してください。
保存と再加熱:加熱調理した唐揚げ・煮付けは粗熱をとってから冷蔵(0〜4℃)で1〜2日が目安。再加熱は中心温度75℃以上で1分以上を意識します。未加熱のフィレはペーパー+ラップで包み、チルド室で当日〜翌日中に使い切るのが理想です。
「釣る前から持ち帰り方を決めておく」ことが最高の調味料です。締め・血抜き・海水氷での急冷、ていねいな下処理、適切な火入れの3点を守れば、東京湾のカサゴは自宅で料亭レベルの一皿になります。
ルールとマナーと安全対策
東京湾でのカサゴ釣りは、地域の暮らしと港湾・公園施設に支えられています。釣果を伸ばす以前に、立ち入りルールの順守、騒音・駐車マナー、ゴミの完全持ち帰り、安全装備の徹底を最優先にしてください。釣り人が釣り場の価値を守る行動を続けることが、長期的に安定して釣りを楽しめる最短ルートです。
立入禁止と駐車とゴミの持ち帰り
防波堤・岸壁・公園・運河沿いは、管理者ごとに利用ルールが異なります。立入禁止のフェンスを越える、テトラ帯や工事エリアに侵入する、夜間閉鎖の公園に入る行為は絶対にしないでください。たとえば横浜本牧・大黒などの管理釣り施設では、開場時間や持込制限・安全規定が明確に示されています。利用前に公式の「利用案内・注意事項」を必ず確認しましょう。
駐車は指定駐車場・コインパーキングを利用し、路上駐車や迷惑駐車をしないのが原則です。深夜・早朝のエンジンかけっぱなしや大声の会話、道具の金属音は近隣の迷惑になります。血抜きや下処理は所定の場所のみで行い、周囲を汚した場合は水で洗い流し、ニオイ対策も徹底しましょう。
ゴミは全量持ち帰りが大前提です。針や糸くずは野鳥や海洋生物、清掃作業員に危険を及ぼします。残餌・コマセ・アミ汁の投棄は悪臭や水質悪化の原因となるため厳禁です。密閉できる袋、キッチンペーパー、消臭スプレー、携帯ペットボトルの真水を常備し、手や道具をその場で清潔に保てるよう準備しましょう。
NG行為 | 問題となる理由 | 代替・守るべき行動 |
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フェンス越えや立入禁止区域への侵入 | 転落・事故の危険、施設損傷、通報・閉鎖の原因 | 開放エリアや管理釣り施設を利用し、掲示の案内板に従う |
路上駐車・アイドリング・深夜の騒音 | 近隣トラブル、通行妨害、苦情による釣り場縮小 | 指定駐車場利用、荷下ろしは短時間で静かに行う |
残餌・コマセ・内臓の放置や排水口への廃棄 | 悪臭・害虫発生・衛生問題、景観悪化 | 密閉袋で持ち帰る。清掃後の水は極力最小限で使用 |
釣り禁止・夜間閉鎖の公園での釣行 | 条例違反、管理コスト増、事故時の救助遅延 | 開放時間内に釣行、夜釣りは許可された場所のみ |
天候・海況は安全に直結します。出発前に気象庁の公式情報で風向・風速・波の予想・注意報/警報を確認し、無理は決してしないでください(参考:気象庁 海の気象情報)。
ライフジャケットとライトと滑り止め
落水リスクのある堤防や夜釣りでは、ライフジャケットの着用が基本装備です。特に船釣りでは、国の型式承認(通称「桜マーク」)の付いた救命胴衣を着用してください。船上では股ベルトまで確実に締め、出船前に手動・自動膨張式のカートリッジ期限や作動ピンを点検することが重要です。救命胴衣の着用や海の安全に関する基本情報は海上保安庁の案内を参照してください(参考:海上保安庁 海の安全情報)。
ヘッドライトは足元と手元を照らす中〜低照度が基本。対向者の目を眩ませないよう、顔の高さより下向きの角度で使用し、可能なら赤色モードを併用します。予備ライトとスペア電池を必ず携行し、暗所での仕掛け交換や回収時の安全を確保しましょう。海面や他船を不必要に照射し続ける行為は避け、航行妨害や迷惑行為にならないよう配慮します。
滑り止めの効いたシューズ(スパイクまたはフェルトスパイク)と手袋は、濡れたコケ・海藻・金属グレーチング上での転倒を防ぎます。レインウェアや防寒着は季節に合わせて用意し、夏は熱中症対策としてこまめな水分・電解質補給と日陰での休憩、冬は風を遮るレイヤリングで低体温症を防ぎます。テトラポッドの上での移動・釣行は極めて危険なため回避し、滑りやすい斜面や立入制限のある足場には立ち入らないでください。

装備 | 目的 | 選び方・運用のポイント |
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ライフジャケット | 落水時の浮力確保 | 桜マーク付き。船は股ベルト必須。年1回の点検とボンベ期限管理、自動式は予備ボンベ携行 |
ヘッドライト・予備ライト | 夜間の視認性・手元作業 | 下向き装着、赤色モード推奨。予備電池と小型ライトをバックアップに |
スパイク/フェルトスパイクシューズ | 滑落防止 | 足場に合わせて選択。濡れたコンクリや藻上でのグリップを重視 |
グローブ・偏光サングラス | 手の保護・目の保護 | フック外し時のケガ防止、飛来物・照り返し対策に |
プライヤー・フックリムーバー | 安全な針外し | 魚体や自分を傷つけない距離感で素早く外せる長尺タイプが便利 |
救命ロープ/ホイッスル | 緊急時の救助補助・通報 | 夜間は反射材付きロープ。ホイッスルは常時首掛けで即使用可能に |
リリースサイズの目安と資源保護
カサゴは成長が比較的ゆっくりで、冬〜春に稚魚を産む卵胎生の根魚です。小型個体(目安として15〜18cm前後まで)はリリースを心がけ、必要量だけを持ち帰る「キープ&リリース」の実践が資源保護に直結します。地域や船宿によっては独自のキープサイズや匹数制限を設けている場合があるため、出船前・釣行前に必ず確認しましょう。
リリース時は魚体保護を最優先にします。計測や撮影は短時間で済ませ、濡らした手やラバーネットで丁寧に扱い、プライヤーで素早く針を外してください。深く飲み込んだ場合は無理に外さず、針をカットして放流した方が生存率が高いケースもあります。返し(バーブ)を潰したフックや、ワームフックの微調整で貫通性を上げると、掛かり所が浅く外しやすくなります。
抱卵個体(腹部が硬く大きく張る、出仔前後のメス)は写真のみで即リリースが無難です。群れている小型のカサゴが連発する状況では、ポイントを休ませる、ルアーサイズを上げる、フックサイズを上げるなどの「選別」を行い、未成魚の過剰なキープを避けましょう。釣果の量よりも、魚と釣り場を次世代につなぐ配慮を優先することが、東京湾の根魚ゲームを長く楽しむ最大のコツです。
クーラー管理も品質と衛生の面で重要です。氷は「板氷+海水」で氷海水(シャーベット状)を作ると冷却効率が上がり、血抜き後の鮮度を長時間キープできます。内臓の処理は自宅で行い、現場での洗い作業は必要最小限にとどめて周囲を汚さないようにしましょう。
よくある質問
釣れない日の共通点
東京湾のカサゴ(ガシラ)は「ストラクチャーの際」「ボトム」「常夜灯周り」のようなピンを外さなければ比較的素直に口を使う魚です。にもかかわらず釣れない日は、環境要因の読み違いとアプローチのズレが重なっていることがほとんどです。まずは潮・風・濁りに合わせたレンジコントロールと、障害物の“際”に対する正確な送り込みを徹底すると、体感できるほどヒット率が変わります。
典型的なつまずきと対処を一覧化しました。出発前の作戦立案と現場の軌道修正に使ってください。
症状・状況 | ありがちな原因 | 改善アクション |
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アタリが遠い/無反応 | 潮止まりに粘りすぎ、ポイントの“生きている場所”が合っていない | 上げ始め・下げ始めを狙う。常夜灯の明暗境界、ケーソン継ぎ目、テトラの穴、護岸のキワへポイントを絞る |
コツコツのショートバイトのみ | レンジが上ずっている、ワームサイズやエサのボリュームが合っていない | シンカーを1〜2g重くしてボトムに貼り付ける。ワームは2〜3inchへサイズダウン、エサはアオイソメ短く付ける |
根掛かり多発→攻め切れない | 角度が立ちすぎ、止めの位置取りが悪い、シンカー形状不適 | 立ち位置を変えてライン角度を寝かせる。テキサスならバレット+オフセット、堤防ならブラクリの号数を上げて“転がしすぎ”を止める |
濁り・風で釣りにならない | 横風でラインメンディング不可、澄み潮または強濁りで見切られている | 風裏の運河・入り江へ移動。濁り時は黒・紫・モエビ系カラー、澄み潮はクリア・ナチュラル。匂い系ワームやエサで存在感を出す |
船で型は出るが数が伸びない | 置き竿任せ、オモリ号数が潮に合っていない | 底ダチを取り直しつつ小刻みなリフト&フォールを追加。船長指定の15〜25号を基準に、二枚潮や早潮時は号数アップ |
人が多くプレッシャーが高い | 同じ“面”を舐めるだけの釣りになっている | 縦の穴撃ちへ戦術変更。ピンに対して1投1穴でテンポ良く移動。ルアーとエサのローテを早める |
ナイトゲームではライトの直射、足音、コマセ臭などの人為的プレッシャーにも敏感です。常夜灯の明暗“境目”に対して、光を当てずに静かに送り込む基本を守るだけで、同じ場所でも釣果が変わります。
最低限そろえる道具
これから始める方向けに、東京湾の「おかっぱり」と「船釣り」で迷わない最小装備を整理しました。根掛かりが多い釣りなので、仕掛けやワームは多めに携行するのが現実的です。
項目(おかっぱり) | 推奨仕様・目安 |
---|---|
ロッド | 7〜8ftのライトロック/MLクラス。テトラの穴撃ちは5〜7ftのショートロッドが扱いやすい |
リール | スピニング2000〜2500番 |
ライン | PE0.6〜1.0号+フロロリーダー1.5〜2号(6〜8lb)。フロロ通し8〜10lbでも可 |
仕掛け/ルアー | ジグヘッド5〜10g+2〜3inchワーム、テキサスリグ(バレット7〜14g+オフセット#2〜#1)/ブラクリ3〜5号+エサ |
エサ | アオイソメ、オキアミ、サバ(サバ切り身)など嗜好性の高いもの |
周辺小物 | プライヤー、フィッシュグリップ、ヘッドライト(赤色・弱モード推奨)、玉網(タモ)、予備シンカー・フック、保冷剤入りクーラーボックス |
安全装備 | ライフジャケット(桜マーク等の浮力体がしっかりしたタイプ推奨)、滑りにくいシューズ、グローブ |
項目(船釣り) | 推奨仕様・目安 |
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ロッド | 1.6〜2.1mの先調子ライトゲームロッド(30〜60号負荷目安) |
リール | 小型両軸または小型電動 |
ライン | PE1〜1.5号+フロロリーダー3〜4号(船宿の指示優先) |
仕掛け | 胴突き1〜2本バリ、またはブラクリ。針は船宿指定を使用 |
オモリ | 15〜25号(潮流や水深、船宿指定に合わせる) |
エサ | サバ切り身、イカ短冊、アオイソメなど(持ち込み可否は船宿確認) |
周辺小物 | クッションゴム、ハサミ、タオル、ビニール手袋、締め具、海水循環バケツ |
安全装備 | ライフジャケット(船では着用が基本)、滑りにくいデッキシューズ、防寒・レインウェア |
まずは“底が取れる重さ”と“根周りを攻め切れる仕掛け”を優先し、細かなアップグレードは釣り込んでからで十分です。
子どもと一緒に行くときの注意
ファミリー釣行で最優先すべきは安全と快適さです。足場が良く、柵・トイレ・売店が整った海づり施設を選ぶ(例:横浜本牧・大黒など)ことで、保護者の負担も大きく減ります。施設情報や当日の開場・強風時クローズ可否は公式サイトで確認しましょう。
装備は「ライフジャケット(股ベルト付き)」「滑りにくい靴」「薄手の手袋」「ヘッドライト(夜は避け、やむを得ずなら弱光)」を必須に。仕掛けは短めで扱いやすく、針先のバーブは潰しておくとトラブルが減ります。ロッドは軽く柔らかいものを選び、オモリは重すぎない号数で手返しを重視します。
時間帯は朝夕のマズメを含む「2〜3時間の短時間勝負」。強風・高波・雨天時は無理をせず延期を。夜釣りやテトラ帯は滑落・迷子・針トラブルのリスクが高いので避けるのが無難です。エサは汚れや匂いの少ないオキアミやカット済みのサバ切り身、または匂い付きワームを活用し、飽きさせないために「釣れたらすぐ写真→クーラーへ」のテンポで回しましょう。
現場では「竿を置いたままにしない」「足元から1m以内に寄せてから抜き上げず、可能なら小型の玉網で確実に取り込む」「針外しは大人が行う」を徹底。熱中症・低体温対策として夏は日陰・帽子・経口補水、冬は防風・保温・カイロを用意します。風や波、潮位の変化はこまめに確認し、無理を感じたらすぐ撤収。
最後に、混雑時のキャスト方向、ゴミの持ち帰り、釣り場のルール・立入禁止の遵守は子どもへの良い手本にもなります。“釣らせる”より“安全に釣りを楽しませる”を最優先に、無理のない計画で臨みましょう。
まとめ
東京湾のカサゴは冬〜春、夜とマズメが最盛。低水温期は小魚が減り底での捕食が増えるためで、緩い潮に合わせ根を丁寧に攻めるのが結論。胴突きやテキサスでボトムを刻み、東扇島西公園や本牧・大黒など実績場を安全装備で。風は弱い日を選び、濁りはプラスに作用。根掛かり回避の軽重シンカー調整も有効。小型はリリース、持ち帰りは神経締めで鮮度維持を。
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