東京湾の船五目釣りでクーラー満タン！季節ごとの釣れる魚と仕掛けを徹底解説

「東京湾で船釣りをしてみたいけど、何から始めればいいかわからない」そんなあなたに最適なのが、多種多様な魚が狙える「五目釣り」です。

春のアジやメバル、夏のシロギス、秋のカワハギ、冬のカサゴといった、東京湾で季節ごとに釣れる人気の魚とその釣り方がすべてわかります。それぞれのターゲットに合わせた最適な仕掛けやタックルはもちろん、初心者でも安心して揃えられる基本装備、服装、さらには船宿の予約のコツまで網羅的に解説。

季節ごとの特徴を理解し、適切な準備をすれば、誰でも東京湾の船五目釣りでクーラー満タンの釣果を目指せます。さあ、この記事であなたの船釣りデビューを成功させましょう。

東京湾の船五目釣りで多彩な魚を狙おう

都心からのアクセスも抜群な東京湾は、四季折々の豊かな海の幸に恵まれた絶好の釣りフィールドです。数ある釣りの中でも、特に初心者からベテランまで幅広い層におすすめなのが「船の五目釣り」。

特定の魚種に絞らず、その日、その場所で釣れる様々な魚を狙うスタイルで、何が釣れるかわからないワクワク感が最大の魅力です。 この記事では、そんな東京湾の船五目釣りの世界へ皆様をご案内します。

船の五目釣りとは？その魅力に迫る

「五目釣り」の「五目」とは、5種類という意味だけではなく「様々な種類の」という意味合いで使われています。 つまり、1種類の魚だけを狙うのではなく、同じ仕掛けやタックルで多種多様な魚を釣ることを目的とした釣り方です。 釣り船に乗って沖へ出るため、陸っぱり（岸からの釣り）では出会えないような魚たちとの出会いが待っています。

船長がその日の天候や潮の流れを読み、最も釣果が期待できるポイントへ連れて行ってくれるので、初心者の方でも安心して楽しむことができます。 釣れた魚は持ち帰って美味しく食べられるのも大きな魅力。

アジやサバ、イシモチなど、食卓でおなじみの美味しい魚が釣れることも多く、クーラーボックス満タンの釣果も夢ではありません。家族や友人と一緒に、最高の思い出作りにもなるでしょう。

東京湾が五目釣りに最適な理由

東京湾は、都心から電車や車で1時間程度で行ける船宿が多く、気軽に船釣りに挑戦できる恵まれた環境にあります。 なぜ東京湾ではこれほど多くの魚が釣れるのでしょうか。その理由は、湾の地形と環境にあります。

栄養豊富な海

多くの河川が流れ込む東京湾は、プランクトンが豊富で、それを餌とする小さな魚が集まります。さらにその小魚を狙って大きな魚が集まるという、豊かな生態系が形成されています。

変化に富んだ海底地形

湾内には砂地、岩礁、カケアガリ（水深が急に変化する場所）などが点在し、それぞれの地形を好む多様な魚種が生息しています。 これにより、ポイントを少し変えるだけで全く違う種類の魚が釣れることも珍しくありません。

充実した船宿とサービス

東京湾周辺には数多くの船宿（釣り船の営業所）があり、初心者向けのサービスが充実しています。多くの船宿で釣り竿やリールなどのタックル一式をレンタルできるため、高価な道具を揃えなくても気軽にチャレンジできます。

五目釣りで出会える代表的な魚たち

東京湾の五目釣りでは、季節によって様々な魚を狙うことができます。ここでは、年間を通して出会える可能性のある代表的な魚種をいくつかご紹介します。 季節ごとの詳しいターゲットについては、この後の章で詳しく解説していきます。

魚種	主な特徴	釣れる時期の目安
アジ	サビキ釣りやコマセ釣りで人気のターゲット。塩焼きや刺身、なめろうなど、どんな料理でも美味しい。	通年
サバ	アジと同様に人気の青物。強烈な引きが魅力で、群れに当たれば数釣りが楽しめる。	夏～秋
イシモチ	砂地に生息する魚で、ブルブルという独特の強い引きが特徴。上品な白身で、塩焼きや天ぷらに最適。	春～秋
カサゴ	岩礁帯に潜む根魚の代表格。見た目はゴツゴツしているが、非常に美味しい高級魚。唐揚げや味噌汁が絶品。	通年（特に冬）
シロギス	「海の女王」とも呼ばれる美しい魚。繊細なアタリと軽快な引きが楽しい。天ぷらは最高の一品。	春～秋
マダイ	五目釣りのゲストとして釣れると非常に嬉しい「魚の王様」。美しい魚体と上品な味わいが魅力。	通年（特に春・秋）

ここに挙げた以外にも、メバル、カワハギ、タチウオ、ヒラメなど、東京湾のポテンシャルは計り知れません。 次の章からは、季節ごとに狙える魚と、そのための具体的な仕掛けやタックルについて詳しく解説していきます。

【春の船五目釣り】アジとメバルを攻略

冬の厳しい寒さが和らぎ、ポカポカとした陽気が心地よい春は、東京湾の船釣りが本格的にシーズンインする絶好の季節です。水温の上昇とともに魚たちの活性も上がり、多彩な魚種が狙える五目釣りの魅力が満喫できます。特に春の東京湾でメインターゲットとなるのが、「東京湾の金アジ」とも呼ばれる食味抜群のマアジと、小気味よい引きで楽しませてくれるメバルです。この二大ターゲットを軸に、初心者からベテランまで誰もが楽しめる春の船五目釣りの攻略法を徹底解説します。

春の東京湾で釣れる魚種

春の東京湾では、アジやメバルの他にも様々な魚が竿を曲げてくれます。潮通しの良いポイントでは大型のアジが回遊し、根周りではメバルやカサゴといった美味しい根魚が待ち構えています。日によって釣れる魚種が変わるのも五目釣りの醍醐味。何が釣れるかわからないワクワク感を楽しみましょう。

魚種	特徴	主な釣り方
マアジ	「金アジ」と呼ばれる居つきの個体は脂が乗って絶品。3月頃から釣れ始め、ゴールデンウィーク前後には数釣りが楽しめることも。	LT（ライトタックル）ビシ釣り
メバル	岩礁帯や海藻の周りに潜む人気の根魚。上品な白身で煮付けや塩焼きが美味しい。複数の針に鈴なりで掛かることも。	胴付き仕掛け
カサゴ	メバルと同じく根周りを好む魚。ゴツゴツとした見た目とは裏腹に、非常に美味しい高級魚として知られています。	胴付き仕掛け
イシモチ	砂泥底を好む魚で、春に産卵のために浅場へやってきます。独特の浮き袋の音で釣り上げたことがすぐに分かります。	天秤仕掛け、胴付き仕掛け
シロギス	「海の女王」と称される美しい魚。上品な味わいで天ぷらは絶品です。水温が安定してくると釣果が上向きます。	天秤仕掛け

春におすすめの仕掛けとタックル

春の五目釣りでは、主にアジを狙う「ビシ釣り」と、メバルやカサゴなどの根魚を狙う「胴付き仕掛け」の2種類を準備しておくと万全です。船宿によってはターゲットを絞って出船する場合もあるため、予約時に確認しておくと良いでしょう。

アジ狙いのビシ釣り仕掛け

東京湾のアジ釣りでは、軽いオモリ（ビシ）を使うLT（ライトタックル）が主流です。コマセを撒いてアジの群れを足止めし、付けエサに食わせるのが基本戦術。船長の指示ダナ（魚がいる水深）を正確に守ることが、釣果を伸ばす最大のコツです。

タックル	仕様・スペック	備考
竿	1.6m〜2.1m程度のLTアジ専用竿、または7:3調子のゲームロッド	コマセを振り出しやすく、アタリが分かりやすいものがおすすめです。
リール	PE1号〜2号が100m以上巻ける小型両軸リール（カウンター付きが便利）	カウンターがあると正確なタナ取りが容易になります。
道糸	PEライン 1号〜2号	先端にリーダーとしてフロロカーボン4号〜5号を1mほど結束します。
ビシ	アンドンビシ、プラビシ 30号〜40号	船宿によって号数が指定されている場合が多いです。
天秤	15cm〜20cm程度の片天秤	腕が短い方が感度が良いとされています。
クッションゴム	太さ1mm〜1.5mm、長さ20cm	アジの口切れを防ぐために必須のアイテムです。
仕掛け	ハリス1.5号〜2号、全長2m前後、2本〜3本針	針はムツ針10号などが一般的。赤や緑のウイリーが巻かれた仕掛けも有効です。
エサ	コマセ：イワシミンチ、付けエサ：アオイソメ、赤タン	アオイソメは1cm程度にカットして使います。

メバル・カサゴ狙いの胴付き仕掛け

メバルやカサゴは、海底の岩礁や魚礁の周りに潜んでいます。そのため、仕掛けを底まで沈めて、根掛かりに注意しながら丁寧に探ることが重要です。アタリがあったら、すぐに合わせずに少し待ってからゆっくりと聞き合わせるようにすると、追い食いしてきて一度に複数匹釣れることもあります。

タックル	仕様・スペック	備考
竿	1.8m〜2.4m程度の7:3調子または8:2調子の船竿	根掛かりを外しやすく、アタリが取りやすい先調子のものが向いています。
リール	PE1号〜2号が100m以上巻ける小型両軸リール	アジ釣りのタックルを流用することも可能です。
道糸	PEライン 1号〜2号	根ズレ対策でリーダーはフロロカーボン4号〜5号を結束します。
仕掛け	市販の船メバル・カサゴ用胴付き仕掛け（3本針が基本）	幹糸3号〜4号、ハリス1.5号〜2号が標準です。
オモリ	25号〜40号	潮の速さや船宿の指定に合わせて使い分けます。
エサ	アオイソメ、モエビ、サバの切り身など	エサ持ちの良いアオイソメが一般的です。

【夏の船五目釣り】シロギスとイシモチを楽しむ

夏は水温の上昇とともに多くの魚の活性が上がり、東京湾の船五目釣りが最も賑わう季節の一つです。特に、「海の女王」とも呼ばれるシロギスや、群れに当たれば数釣りが楽しめるイシモチがメインターゲットとなり、初心者からベテランまで幅広い層が楽しめます。穏やかな日が多く、家族連れでの船釣りデビューにも最適なシーズンと言えるでしょう。この章では、夏の東京湾で狙える魚種と、釣果を伸ばすための仕掛けやタックルについて詳しく解説します。

夏の東京湾で釣れる魚種

夏の東京湾では、シロギスやイシモチを中心に、多彩なゲストが登場します。それぞれの魚の特徴を知り、五目釣りの醍醐味を味わいましょう。

シロギス

透き通るような美しい魚体と、上品で淡白な味わいが人気のターゲットです。天ぷらや塩焼き、刺身など、どんな料理でも美味しくいただけます。比較的浅場で釣れることが多く、繊細なアタリを掛けていくゲーム性の高さも魅力です。主なポイントは中ノ瀬や盤洲干潟、富津沖などが挙げられます。

イシモチ（シログチ）

頭部に大きな耳石（じせき）を持つことから「イシモチ」と呼ばれています。釣り上げられると「グーグー」と鳴くユニークな魚です。群れで行動する習性があるため、一度ポイントを見つけると連続でヒットし、数釣りが期待できます。塩焼きや煮付け、かまぼこの原料としても知られています。

その他の魅力的な魚たち

マアジ

言わずと知れた人気の魚。夏には良型が回遊してくることもあり、五目釣りの嬉しいゲストです。サビキ仕掛けや、シロギス仕掛けに食ってくることもあります。

マゴチ

シロギスやメゴチなどの小魚を捕食する高級魚。シロギスを釣っていると、そのシロギスにマゴチが食いついてくることもあります。専門に狙う場合は、生き餌を使った泳がせ釣りが効果的です。

メゴチ

シロギス釣りの定番ゲストですが、ぬめりを取ってから調理する天ぷらは絶品です。専門に狙うファンもいるほど味の良い魚です。

ホウボウ

美しい胸ビレを広げて海底を歩くように移動する魚。見た目も華やかで、上品な白身は刺身や鍋物、ブイヤベースなどに最適です。

夏におすすめの仕掛けとタックル

夏の五目釣りでは、シロギスとイシモチの両方を視野に入れた、汎用性の高いタックルがおすすめです。船宿によってはレンタルタックルも充実しているので、初心者の方でも気軽に挑戦できます。

基本タックル

シロギスやイシモチを狙うライトなタックルが基本となります。操作性が良く、繊細なアタリも感じ取れるものが理想です。

タックル	仕様・選び方のポイント
竿	1.8m～2.4m程度の船竿（7:3または8:2調子）。シロギス専用竿やライトゲームロッド、ひとつテンヤ用の竿なども流用可能です。
リール	小型スピニングリール（2000～3000番）または小型両軸リール。PEライン0.8号～1.5号が100m～150m巻けるものを選びましょう。
道糸	PEラインの0.8号～1.5号が主流です。先端には、根ズレ対策と衝撃吸収のためにフロロカーボンのリーダー（4号程度）を1mほど接続します。

代表的な仕掛け

主に「天秤仕掛け」を使用します。オモリの号数は船宿やポイントの水深によって変わるため、予約時に必ず船宿に推奨号数を確認してください。

シロギス・イシモチ兼用の天秤仕掛け

最もオーソドックスで扱いやすい仕掛けです。アームが短めの片天秤を使用し、仕掛けの全長を短くすることで、初心者でもトラブルなく扱えます。

スクロールできます

パーツ	仕様	備考
天秤	片天秤（アーム長15cm～20cm）	シンプルな形状で糸絡みが少ないものがおすすめです。
オモリ	15号～30号	船宿指定の号数に従ってください。潮の速さで使い分けます。
仕掛け	全長60cm～1m、2本針	市販のシロギス用や五目釣り用の仕掛けが便利です。
ハリス	フロロカーボン1号～1.5号	魚の食いが渋い時は細く、根掛かりが多い場所では少し太くします。
針	流線針7号～9号、袖針7号～9号	エサの大きさに合わせて選びます。
エサ	アオイソメ、ジャリメ	1匹を丸ごとではなく、針の大きさに合わせてカットして使います。

釣果アップのワンポイント

夏の五目釣りで釣果を伸ばすには、「誘い」が重要です。仕掛けを海底に着けたら、糸フケを取ってゼロテンション（オモリが底に付いているが糸は張っている状態）を保ちます。そこからゆっくりと竿先を上下させてオモリで海底をトントンと叩くように誘い、砂煙を上げて魚にアピールします。アタリは「ブルブルッ」という明確なものから、「モゾモゾ」とした小さなものまで様々です。違和感があったら、焦らずにゆっくりと竿を聞き上げるように合わせると、針掛かりしやすくなります。

【秋の船五目釣り】魚種豊富なベストシーズン

東京湾の船釣りが最も盛り上がるのが秋シーズンです。秋は水温が適度に下がり、多くの魚が越冬や産卵に備えて荒食いを始めるため、まさに絶好のシーズンと言えるでしょう。多種多様な魚がターゲットとなり、初心者からベテランまで誰もが楽しめる五目釣りのベストシーズンです。ここでは、秋の東京湾で狙える魚種と、そのための仕掛けやタックルを詳しく解説します。

秋の東京湾で釣れる魚種

秋の東京湾は、回遊魚から根魚、そして高級魚まで、非常に多くの魚種で賑わいます。コマセを撒けば、どこからともなく魚が集まってくる高活性な状況も珍しくありません。ここでは代表的なターゲットをご紹介します。

アジ・サバ

五目釣りの主役ともいえるのがアジとサバです。特に秋のアジは「金アジ」とも呼ばれる脂が乗った良型が期待でき、食味も抜群。サバも大型化し、強烈な引きで楽しませてくれます。群れに当たれば、初心者でも数釣りが楽しめるため、まずはお土産を確保したいという方にも最適です。

イナダ・ワラサ

ブリの若魚であるイナダやワラサも秋の東京湾の人気ターゲットです。夏から引き続き狙うことができ、サイズも一回り大きくなります。ビシ釣りの仕掛けに突然ヒットしてくることも多く、そのパワフルな引きは一度味わうと病みつきになること間違いなし。専門で狙う遊漁船も出船するほどです。

タチウオ

夏から人気のタチウオも、秋になるとサイズがアップし、「ドラゴン」と呼ばれるメーター超えの大物も夢ではありません。天秤仕掛けやテンヤ仕掛けで狙い、繊細なアタリを掛けていくゲーム性の高さが魅力です。神出鬼没なターゲットですが、群れを見つければ連続ヒットも期待できます。

カワハギ

「エサ取り名人」の異名を持つカワハギ釣りは、秋に本格的なシーズンを迎えます。小さなアタリをいかに掛けるかというテクニカルな釣りで、多くの釣り人を魅了します。専門船が有名ですが、五目釣りの合間に胴付き仕掛けで狙ってみるのも面白いでしょう。肝が大きくなる「肝パン」のカワハギは、まさに秋の味覚の王様です。

マダイ・ハナダイ

お祝いの魚として知られるマダイも、秋には狙いやすいターゲットの一つです。専門に狙うコマセマダイ船が有名ですが、五目釣りでもハナダイ（チダイ）などがよく混じります。美しい魚体と上品な味わいは、釣れた時の喜びもひとしおです。

秋におすすめの仕掛けとタックル

多魚種が狙える秋の五目釣りでは、アジやイナダなどを狙う「ビシ釣り」を基本としながら、状況に応じて他の魚種を狙える仕掛けも用意しておくのが釣果を伸ばすコツです。

基本となるビシ釣りタックル

秋の五目釣りでは、コマセを詰めたビシを使い、魚を寄せて釣るのが最も一般的です。汎用性が高く、様々な魚種に対応できるこのタックルを軸に考えましょう。

タックル	スペックの目安	備考
竿（ロッド）	1.8m〜2.4m程度の7:3調子または6:4調子の船竿	オモリ負荷40号〜80号に対応できるものが汎用性が高いです。
リール	小型〜中型の電動リール、またはPEライン2号〜3号が200m以上巻ける両軸リール	水深50m以上を狙うことも多いため、電動リールがあると手返しが良く快適です。
道糸	PEライン 2号〜3号	船宿で推奨される号数を確認しましょう。
ビシ・オモリ	40号〜80号のLT（ライトタックル）用アンドンビシなど	船宿によってオモリの号数が統一されている場合がほとんどなので、予約時に必ず確認が必要です。
天秤	腕長20cm〜30cm程度の片天秤	仕掛けの絡みを防ぐために必須のアイテムです。
クッションゴム	太さ1.5mm〜2mm、長さ20cm〜30cm	魚が掛かった際の衝撃を和らげ、バラシ（針外れ）を防ぎます。
仕掛け	全長1.5m〜2.0m、2本〜3本針のウィリー仕掛けや空針仕掛け	ハリスは2号〜4号。イナダなどの青物も想定し、少し太めのハリスを用意すると安心です。

特化型仕掛けで釣果アップ

五目釣り船でも、特定の魚種がよく釣れている状況では、それに特化した仕掛けを使うことで釣果が大きく変わることがあります。船長の指示を聞きながら、タックルボックスに忍ばせておくと良いでしょう。

タチウオ狙いの天秤仕掛け

タチウオの反応が良い場合、アジ用の仕掛けからタチウオ用の1本針または2本針仕掛けに交換します。ハリスにはワイヤーを使ったり、太めのフロロカーボンライン（8号〜12号）を使用したりして、タチウオの鋭い歯によるハリス切れを防ぐことが重要です。エサはコノシロやサバの切り身が一般的です。

カワハギ狙いの胴付き仕掛け

カワハギを狙う場合は、感度の良い竿先を持つ専用竿が理想ですが、ビシ釣り用の竿でも代用は可能です。仕掛けはオモリが一番下についた胴付き仕掛けを使用します。エサのアサリを小さく付け、底を小まめに叩くように誘うのが釣果を伸ばすコツです。

エサの使い分け

秋の五目釣りでは、主にコマセとして「オキアミ」が使われます。付けエサも基本はオキアミですが、魚種によっては他のエサが有効な場合があります。

オキアミ

アジ、サバ、マダイ、イナダなど、ほとんどの魚に有効な万能エサ。

アオイソメ

シロギスやカサゴ、イシモチなどが好むエサ。動きで魚にアピールします。

イカの短冊（イカタン）

エサ持ちが良く、アジやサバ、根魚などに効果があります。オキアミと抱き合わせで使うこともあります。

【冬の船五目釣り】美味しい根魚を狙う

水温がぐっと下がる冬の東京湾。魚たちの活性が低くなると思われがちですが、実はこの時期だからこそ楽しめる釣りが「根魚五目」です。寒さで脂をたっぷりと蓄えたカサゴやメバルといった美味しい根魚たちがメインターゲットとなり、その力強い引きと食味の良さで釣り人を魅了します。水温が安定する深場に良型が集まるため、船から狙うことで効率よく釣果を上げることができます。

冬の東京湾で釣れる魚種

冬の五目釣りでは、カサゴやメバルといった根魚を中心に、多彩なゲストが登場します。それぞれの魚の特徴を知ることで、釣りの楽しさが一層深まります。

魚種	特徴	主な釣り方
カサゴ	「ガシラ」とも呼ばれる根魚の代表格。岩礁帯に潜み、貪欲にエサに食いつきます。煮付けや唐揚げにすると絶品で、冬の味覚として人気が高い魚です。	胴付き仕掛けで底を丁寧に探るのが基本。
メバル	「春告魚」とも呼ばれますが、冬から釣れ始める人気のターゲット。群れでいることが多く、一匹釣れると連続ヒットも期待できます。引きが強く、繊細なアタリを掛けていくゲーム性が魅力です。	胴付き仕掛けや、状況によってはサビキ仕掛けも有効。
アジ	冬でも「金アジ」と呼ばれる居着きの大型アジが狙えます。 脂の乗りが非常に良く、刺身やなめろう、アジフライなど、どんな料理でも美味しくいただけます。	LT（ライトタックル）アジ船で専門に狙うか、五目釣りの外道として釣れます。
イシモチ	砂泥底を好む魚で、冬場は深場に集まります。独特の浮袋の振動が竿に伝わるのが特徴。塩焼きや練り物の材料として重宝されます。	胴付き仕掛けで底付近を狙います。

冬におすすめの仕掛けとタックル

冬の根魚五目釣りでは、海底の障害物周りをタイトに攻めるため、根掛かりしにくく、感度の良いタックルが求められます。ここでは、初心者でも扱いやすい基本的なタックルと仕掛けを紹介します。

基本タックル

東京湾の船五目釣りでは、LT（ライトタックル）が主流です。軽くて扱いやすいため、初心者や女性、お子様でも一日中疲れにくく、魚の繊細なアタリを感じやすいというメリットがあります。

道具	選び方のポイント
竿 (ロッド)	長さ1.8m前後、オモリ負荷20～40号程度の7:3または8:2調子のゲームロッドやLTロッドがおすすめです。穂先が鋭敏で、海底の様子や魚のアタリが分かりやすいものが良いでしょう。
リール	PEライン1号～1.5号を100m以上巻ける小型両軸リールが基本です。 水深が深いポイントを狙う場合は、手返しの良い小型電動リールも非常に便利です。
道糸・リーダー	道糸はPEラインの1号～1.5号を使用します。リーダーとして、フロロカーボンラインの4号～5号を1mほど結束しておくと、根ズレ対策になります。

※船宿によって推奨するタックルやオモリの号数が異なる場合があるため、予約時に必ず確認しましょう。

代表的な仕掛け：胴付き仕掛け

根魚狙いの定番が「胴付き仕掛け」です。 仕掛けの一番下にオモリが付いているため、海底の起伏を感じやすく、根掛かりを回避しやすいのが特徴です。市販の完成仕掛けも多数販売されており、初心者でも手軽に始められます。

幹糸・ハリス

幹糸はフロロカーボン3～4号、ハリスは2～3号が標準です。

針

2～3本バリが一般的で、メバル針やカサゴ針の9～11号を使用します。

オモリ

船宿の指示に従いますが、25～40号を使用することが多いです。根掛かりに備え、予備を多めに持っていくと安心です。

エサ

アオイソメやサバの切り身が一般的です。アオイソメは1匹をチョン掛け、サバの切り身は皮側から縫うように刺すとエサ持ちが良くなります。

釣果アップのワンポイントアドバイス

冬の根魚を攻略するには、いくつかのコツがあります。まず最も重要なのが「底取り」です。オモリが着底したら、すぐに糸フケを取り、オモリで海底をトントンと叩くように小まめに底を取り直すことが基本です。これにより、根掛かりを防ぎつつ、魚にエサの存在をアピールできます。アタリは「ゴツゴツ」や「モゾモゾ」といった小さな変化として現れることが多いので、少しでも違和感があれば、ゆっくりと竿先を聞き上げるようにして合わせましょう。力強い引きを楽しみながら、冬の味覚を釣り上げてください。

これだけは揃えたい船の五目釣り基本装備

東京湾での船五目釣りを心ゆくまで楽しむためには、事前の準備が欠かせません。特に、釣りの快適さや安全性を左右するタックル（釣り道具）や服装、持ち物はしっかりと揃えておきたいものです。ここでは、初心者の方が最初に揃えるべき基本的な装備について、選び方のポイントとともに詳しく解説します。

初心者向けタックル一式の選び方

五目釣りでは多様な魚種を狙うため、特定の魚種に特化しすぎない「汎用性の高さ」がタックル選びの最も重要なポイントになります。多くの船宿ではレンタルタックルが用意されていますが、自分専用のタックルを持つことで、より釣りに集中でき、上達も早まるでしょう。

竿（ロッド）

最初に選ぶ一本としては、長さ1.8m～2.4m前後で、オモリ負荷が30号～50号程度の「ライトゲームロッド」や「汎用船竿」が最適です。 調子（竿の曲がり方）は、アタリが分かりやすく操作性も良い「7:3調子」が万能でおすすめです。 これ一本あれば、アジやシロギス、カサゴなど東京湾の五目釣りで人気のターゲットの多くに対応できます。

リール

リールは、PEラインの1.5号～2号を150m～200m巻ける小型の両軸リール（ベイトリール）が船五目釣りでは主流です。 両軸リールは仕掛けを真下に落としやすく、水深を把握しやすいカウンター付きのモデルを選ぶと、タナ（魚がいる層）を正確に狙うことができ釣果アップに繋がります。

スピニングリールでも代用可能ですが、船釣りでは両軸リールの方が扱いやすい場面が多いでしょう。

道糸（ライン）とリーダー

道糸には、伸びが少なく感度が高いPEラインの1.5号～2号を選びましょう。船宿によってはPEラインの太さが指定されている場合もあるため、予約時に確認すると安心です。

そして、道糸の先には「リーダー」と呼ばれるフロロカーボン製の糸を結びます。根ズレ（海底の障害物で糸が擦れること）から道糸を守り、魚に警戒心を与えにくくする役割があります。太さは4号～5号（16lb～20lb）を1m～1.5mほど接続するのが一般的です。

タックル	選び方のポイント
竿（ロッド）	長さ1.8m～2.4m / オモリ負荷30～50号 / 7:3調子のライトゲームロッド・汎用船竿
リール	小型両軸リール（カウンター付きが便利） / PE1.5～2号が150m以上巻けるもの
道糸（ライン）	PEライン 1.5号～2号を150m～200m
リーダー	フロロカーボン 4号～5号を1m～1.5m

服装と必須の持ち物リスト

船上は陸上とは環境が大きく異なります。天候が急変しやすく、常に水しぶきを浴びる可能性があるため、「濡れ」と「温度変化」に対応できる服装が基本です。 また、安全かつ快適に釣りを楽しむための持ち物も忘れずに準備しましょう。

基本の服装

季節を問わず、動きやすく汚れても良い服装を心掛けましょう。 また、安全のために帽子と偏光サングラスの着用が推奨されます。 足元は滑りにくい長靴やデッキシューズが必須です。

春・秋

日中と朝晩の寒暖差に対応できるよう、重ね着（レイヤリング）が基本です。 速乾性のあるインナーに、フリースや薄手のダウン、そしてアウターには防水・防風性のあるレインウェアを組み合わせるのがおすすめです。

夏

日差しが強いため、UVカット機能のある長袖・長ズボンが肌を守る上で有効です。 速乾性の高いラッシュガードやアームカバーも快適です。帽子は熱中症対策として必ず着用しましょう。

冬

海上は陸上よりも格段に寒く、風も強いため、徹底した防寒対策が必要です。 保温性の高いインナー、フリースなどの中間着、そして防寒防水仕様のアウター（釣り用防寒着）を着用します。ニット帽、ネックウォーマー、手袋も必須アイテムです。

持ち物チェックリスト

釣具以外にも、船釣りには様々な持ち物が必要です。特にライフジャケットは、国土交通省により着用が義務付けられています。 船宿で無料レンタルできる場合がほとんどですが、事前に確認しておきましょう。

カテゴリ	アイテム名	備考
【必須】	ライフジャケット	着用義務あり。桜マークTYPE-A推奨。船宿でレンタル可。
	クーラーボックス	釣った魚を持ち帰るために必要。20L前後が目安。
	飲み物・軽食	船上では想像以上に体力を消耗します。水分補給はこまめに。
	タオル	手を拭いたり、魚を掴んだりする際に複数枚あると便利。
	ハサミ・プライヤー	糸を切ったり、魚から針を外したりする際に必須。
	レインウェア	天候の急変や波しぶき対策に。防風着としても役立ちます。
	健康保険証	万が一の怪我や体調不良に備えて携帯しましょう。
【あると便利】	酔い止め薬	船に乗り慣れていない方は、乗船前に服用しておくと安心です。
	日焼け止め	夏場はもちろん、曇りの日でも紫外線は強いので対策を。
	防水バッグ・ケース	スマートフォンや貴重品を水濡れから守ります。
	ゴミ袋	自分が出したゴミは必ず持ち帰りましょう。
	予備の仕掛け・オモリ	根掛かりなどで失うことがあるため、少し多めに用意すると安心です。

東京湾の五目釣り船の探し方と予約のコツ

東京湾での船五目釣りを満喫するためには、自分に合った船宿（釣り船）を見つけることが最初の重要なステップです。船宿選びと予約の仕方一つで、その日の釣果や楽しさが大きく変わると言っても過言ではありません。この章では、数ある船宿の中から最適な一隻を見つけ出し、スムーズに予約を完了させるための具体的な方法とコツを詳しく解説します。

エリアから探す船宿ガイド

東京湾の船宿は、神奈川県側、千葉県側、そして東京都側と、広範囲にわたって点在しています。それぞれ出船するエリアによって、アクセスのしやすさや主なポイント、狙いやすい魚種に特徴があります。まずは自宅からアクセスしやすいエリアや、釣りたい魚種に合わせて船宿の候補を絞り込みましょう。

エリア	特徴	主なターゲット（五目釣り）
神奈川県側（横浜・横須賀・金沢八景など）	都心からのアクセスが良く、老舗の有名船宿が多い激戦区。 観音崎沖や久里浜沖など、潮通しの良い好漁場に近いのが魅力です。	アジ、サバ、イシモチ、カサゴなど
千葉県側（内房・木更津・富津など）	盤洲干潟や中の瀬など、穏やかで魚影の濃いポイントが多数存在します。 シロギスやマダコなど、砂泥底を好む魚種も豊富です。	アジ、シロギス、マダコ、イイダコなど
東京都側（羽田・深川・浦安など）	電車でのアクセスも便利な都市型の船宿が多いのが特徴です。 東京湾奥の運河やストラクチャー周りもポイントになり、シーバスなどが混じることもあります。	アジ、シロギス、カサゴ、メバル、シーバスなど

船宿を探す具体的な方法としては、各船宿の公式ウェブサイトを直接確認するほか、「釣割」のような大手の釣り船予約サイトを利用するのが非常に便利です。エリアや魚種、日付から簡単に検索でき、プランの比較や口コミの確認、そのままオンラインで予約まで完結させることができます。

レンタルタックルの有無を確認しよう

船釣りが初めての方や、まだ自分の道具を持っていない方にとって、レンタルタックル（釣り具）が充実しているかどうかは非常に重要な選択基準です。ほとんどの船宿で竿と手巻きリールのセットはレンタル可能ですが、船宿によってはライフジャケットや長靴、クーラーボックスまで借りられるところもあります。 手ぶらに近い形で気軽に挑戦できるため、初心者の方はレンタル品が豊富な船宿を選ぶと良いでしょう。

レンタル可能な主な道具と料金相場

レンタル品の内容や料金は船宿によって異なります。予約時にウェブサイトで確認するか、電話で直接問い合わせるのが確実です。

道具	料金相場	備考・注意点
竿・リールセット	500円～2,000円程度	電動リールは別料金（3,000円前後）の場合が多いです。
ライフジャケット	無料～500円程度	着用が義務付けられています。 無料で貸し出している船宿がほとんどです。
長靴・レインウェア	無料～1,000円程度	汚れてもよい靴や服装があれば不要ですが、あると快適です。
クーラーボックス	500円～1,000円程度	発泡スチロール製の簡易クーラーを販売している船宿もあります。

予約時に確認すべき5つのポイント

船宿を決めて予約を入れる際には、いくつか確認しておきたいポイントがあります。 これらを事前にクリアにしておくことで、当日のトラブルを防ぎ、釣りに集中することができます。

1. 料金に含まれるもの

乗船料の他に、エサ、氷、仕掛けなどが含まれているかを確認しましょう。「エサ・氷付き」と書かれていても、仕掛けは別途購入が必要な場合があります。

2. レンタルタックルの詳細

レンタルを希望する場合は、その旨を予約時に必ず伝えましょう。 料金や、万が一破損させてしまった場合の対応についても確認しておくと安心です。

3. 集合時間と場所

出船時間の30分～1時間前が集合時間となるのが一般的です。 受付場所や駐車場の有無、場所も忘れずに確認してください。

4. 釣り座の決め方

釣り座（船上の釣る場所）の決め方は、予約順、当日の受付順、くじ引きなど船宿によって様々です。 こだわりがある場合は事前に確認しておきましょう。

5. キャンセルポリシー

天候不良による出船中止の判断はいつ頃連絡が来るのか、また、自己都合でキャンセルする場合のキャンセル料の有無などを確認しておくと、万が一の際に慌てずに済みます。

予約方法は電話が主流ですが、最近ではウェブサイトの予約フォームやLINEで手軽に予約できる船宿も増えています。 特に人気の船宿や週末はすぐに満席になってしまうこともあるため、釣行日程が決まったらなるべく早めに予約することをおすすめします。

まとめ

東京湾の船五目釣りは、季節の移ろいとともに多種多様な魚と出会える、魅力あふれる釣りです。春はアジやメバル、夏はシロギスやイシモチ、秋は魚種が最も豊富なベストシーズン、そして冬はカサゴなどの美味しい根魚と、一年を通して飽きることがありません。この記事でご紹介した季節ごとのターゲットとそれに合わせた仕掛けを準備することが、釣果を伸ばす最大の理由であり結論です。

船釣り初心者の方でも、基本的なタックルと服装を揃えれば気軽に挑戦できます。特に、東京湾にはレンタルタックルが充実している船宿が多いため、まずは道具を借りて体験してみるのも良いでしょう。本記事の「基本装備」や「船宿の探し方」を参考に、ご自身のスタイルに合った準備を進めてみてください。

さあ、次の休日はこの記事を参考に万全の準備を整え、東京湾の船五目釣りに出かけてみませんか。安全対策をしっかり行い、美味しい魚でクーラーボックスを満タンにする楽しみをぜひ味わってください。