東京湾で「冬の味覚の王様」トラフグを釣ってみたいあなたへ。トラフグ釣りに挑戦したい初心者が、必要な準備から釣果を出すまでの一連の流れを完全に理解できる完全ガイドです。
釣果を出す結論として、竿選びと「ゼロテンション」を維持するカットウ釣りの基本動作が最も重要です。この記事を読めば、専用タックルの選び方、定番の餌、基本の誘い方から釣果を伸ばす応用テクニック、さらにはおすすめの船宿まで、トラフグ釣りに必要な全ての情報が手に入ります。安全な取り扱いも解説し、万全の体制で高級魚との駆け引きに臨めます。
東京湾のトラフグ釣りシーズンと魅力
近年、東京湾では「湾フグ」と呼ばれるフグ釣りが人気を博しており、ショウサイフグやヒガンフグなど季節ごとに様々なフグを狙うことができます。 中でも、食通を唸らせる最高級魚「トラフグ」は、多くの釣り人にとって憧れのターゲット。ここでは、東京湾におけるトラフグ釣りのシーズンと、人々を惹きつけてやまないその魅力について詳しく解説します。
トラフグが狙える時期は冬から春
東京湾でトラフグを本格的に狙えるシーズンは、水温が下がり始める12月頃から、産卵のために浅場へやってくる翌年の4月〜5月頃までです。 特に、3月から乗合船が出船し始め、春の訪れとともに本格的なシーズンインを迎えます。 この時期は産卵を控えた大型のトラフグが湾口周辺に集まるため、良型を狙う絶好のチャンスとなります。
ハイシーズンの中でも、特に1月下旬から3月にかけては、絶品の「白子」を持つオスが釣れる確率が高まるため、多くの釣り人が心待ちにしています。 クリーミーで濃厚な味わいの白子は「海の宝石」とも称され、この時期ならではの最高の味覚です。 釣り人の中には、この白子を求めて何度も船に乗る人も少なくありません。
また、トラフグの群れが一斉に釣れ盛る爆釣デーは「Xデー」と呼ばれ、この日に遭遇すれば数・型ともに忘れられない釣果を手にすることもあります。 シーズン中の釣果情報をこまめにチェックし、この特別な日を狙ってみるのも一興でしょう。
| 時期 | 特徴 |
|---|---|
| 12月~1月(シーズン初期) | 水温の低下とともに釣果が出始める時期。個体数はまだ少ないが、冬の味覚の王様をいち早く狙える。 |
| 2月~3月(ハイシーズン・白子) | 産卵を意識した個体が増え、釣果が安定してくる。特にオスが持つ絶品の「白子」が最も期待できる時期。 |
| 4月~5月(ハイシーズン・大型) | 産卵のために湾口へ集まる大型の個体を狙えるチャンス。 数釣りが楽しめる「Xデー」が訪れる可能性も。 |
高級魚トラフグを専門船で狙う優越感
トラフグは市場では高値で取引される言わずと知れた高級魚であり、「冬の味覚の王様」とも称されます。 料亭などでしか味わえないような極上のターゲットを、自らの手で釣り上げる達成感と優越感は、トラフグ釣りならではの最大の魅力と言えるでしょう。
東京湾でのトラフグ釣りは、ポイントを知り尽くした「専門船」で狙うのが一般的です。トラフグは鋭い歯を持つため、ワイヤーハリスを使った専用のカットウ仕掛けなど、特別な準備が必要になります。 しかし、専門の遊漁船(船宿)では、経験豊富な船長が最適なポイントへ案内してくれるため、初心者でも釣果を期待できます。 また、釣り方のレクチャーを受けられたり、専用タックルのレンタルが用意されていたりすることも多く、初めてでも安心して挑戦できる環境が整っています。
釣れたトラフグは、ふぐ調理師免許を持つ船長やスタッフが毒のある部位を完全に取り除き、安全な可食部(身や白子)だけにして渡してくれるサービスがほとんどです。 自分で釣り上げた天然トラフグの味はまさに格別。その繊細で奥深い旨味を味わえることも、この釣りが持つ大きな魅力の一つです。
東京湾トラフグ釣りに必要な道具一覧
高級魚トラフグを専門の船から狙う釣りは、格別な体験です。しかし、その繊細なアタリを捉え、力強い引きを制するためには、適切な道具選びが釣果を大きく左右します。ここでは、東京湾のトラフグ釣りに挑戦するために揃えるべき基本的なタックル(道具)を、それぞれの選び方のポイントと共に詳しく解説します。
ロッド(竿)の選び方
トラフグ釣りにおいてロッドは、フグが餌に触れただけの微細な「サワリ」を感知し、瞬時に掛けるための最も重要な道具の一つです。感度、操作性、そしてパワーのバランスが求められます。
トラフグ専用竿が最適
最もおすすめなのは、やはり「トラフグ専用」または「カットウフグ専用」と銘打たれたロッドです。 これらは、トラフグ特有の小さなアタリを明確に捉えるための高感度な穂先(ティップ)と、アワセを確実に決めて大型トラフグの引きにも負けない強力な胴(バット)を兼ね備えています。 特に、穂先には視認性の高い塗装が施され、目感度でもアタリを取りやすいように設計されています。
| 項目 | 推奨スペック |
|---|---|
| 長さ | 1.5m~1.8m前後 |
| 調子 | 8:2または9:1の先調子 |
| オモリ負荷 | 25号~40号に対応できるもの |
| 穂先の素材 | グラスソリッド、メタルソリッド、チタントップなど |
汎用的なゲームロッドでも代用可能
もちろん、専用竿でなくともトラフグ釣りに挑戦することは可能です。その場合、以下のような特徴を持つロッドが代用として挙げられます。
- カワハギ竿
-
繊細なアタリを取る点では共通しており、流用しやすいロッドの代表格です。

ポチップ
- タチウオテンヤ竿
-
適度な張りがあり、アワセが効きやすいため代用できます。
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ポチップ
- マルイカ竿
-
ゼロテンションの釣りに使われる竿も、感度が高く適しています。
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ポチップ
- ライトゲームロッド
-
オモリ負荷が合えば、汎用的な船釣り用ライトゲームロッドも使用可能です。

ポチップ
20代から始めるアウトドア
万能ライトゲーム用おすすめロッド。失敗しない選び方 | 20代から始めるアウトドア 「ライトゲームロッドって色々あってどれを選べばいいか分からない…」そんな悩みを抱えていませんか? アジング、メバリングなど様々なターゲットを狙える万能ライトゲーム…
ただし、代用ロッドを使用する際は、船宿が指定するオモリの号数に対応しているかを必ず確認してください。オモリ負荷が合わないと、底取りが難しくなったり、ロッドの破損に繋がったりする可能性があります。
リールの選び方
ロッド同様、リールも手持ちで一日中誘い続けるトラフグ釣りにおいて、操作性と感度を左右する重要な要素です。軽さとパワー、そして正確なタナ取り性能が求められます。
小型のベイトリールが基本
トラフグ釣りでは、軽量でパーミング(手のひらで包み込むように持つこと)しやすい小型のベイトリール(両軸リール)が主流です。 スピニングリールに比べて、クラッチ操作で素早く仕掛けを底まで落とすことができ、底取りの効率が格段に上がります。また、巻き上げパワーも強く、大型トラフグとのやり取りも安心です。
| 項目 | 推奨スペック |
|---|---|
| 種類 | 小型ベイトリール(両軸リール) |
| 糸巻量 | PEライン1.0号~2.0号を150m~200m巻けるもの |
| ギア比 | 手返しを重視するならハイギア(HG)やエクストラハイギア(XG)がおすすめ |
| 付加機能 | 水深カウンター付きだとタナの把握が容易になり非常に便利 |
近年では、超小型の電動リールを使用する人も増えています。 深場を狙う場合や、手巻きの疲労を軽減したい場合には有効な選択肢となりますが、まずは軽量な手巻きリールから始めるのが基本です。
ラインとリーダー
トラフグの繊細なアタリをロッドに伝えるためには、ラインシステムの選択も非常に重要です。感度が高く、強度のある組み合わせを選びましょう。
船宿によってはPEラインの太さを指定している場合があるため、予約時に必ず確認するようにしましょう。
仕掛けはカットウ仕掛けが主流
東京湾のトラフグ釣りでは、餌を付けた食わせ針と、下部に大きな掛け針(カットウ針)がセットになった「カットウ仕掛け」が主流です。 餌に寄ってきたトラフグを、アワセと同時にカットウ針で引っ掛けて釣るという、攻撃的な釣法です。
仕掛けは市販されているトラフグ専用のものが豊富にあり、初心者の方はまずそれらを使用するのがおすすめです。オモリと一体になったタイプや、交換可能なタイプなど様々な種類があります。オモリの号数は、主に25号や30号を使用しますが、潮の速さや船宿の指定によって変わるため、事前に船宿に確認し、複数の号数を用意しておくと万全です。
餌はアルゼンチンアカエビが定番
トラフグ釣りの餌として、現在最も広く使われているのが「アルゼンチンアカエビ」です。 身がしっかりしていて餌持ちが良く、匂いによる集魚効果も高いとされています。通常、船宿で用意されているか、購入することができます。
付け方は、頭を取り、殻を数節残して剥き、エビがまっすぐになるように針に刺すのが基本です。 この他にも、甘エビやブラックタイガー、アオヤギ(貝の身)、ホヤなども餌として使われることがあります。 状況に応じて使い分けることで、釣果アップに繋がることもあります。
基本となるトラフグの釣り方と誘い方
東京湾のトラフグ釣りは、餌で寄せたフグを下のカットウ針(掛け針)で引っ掛けて釣る「カットウ釣り」が主流です。鋭い歯でハリスを切られることが少なく、効率的に釣果を上げられるため、多くの船宿で採用されています。ここでは、そのカットウ釣りの基本動作と、釣果を左右する誘い方のテクニックを詳しく解説します。
カットウ釣りの基本動作
カットウ釣りは一連の動作をスムーズに行うことが重要です。仕掛けの投入から取り込みまで、基本の流れをしっかりマスターしましょう。
底取りとタナのキープが最重要
トラフグは基本的に海底付近にいる魚のため、いかに正確に海底を把握し、指示されたタナ(水深)をキープできるかが釣果を分ける最大のポイントです。
まず、仕掛けを投入したら、リールのスプールからスムーズにラインが出ていくのを確認します。ラインの放出が止まったら、それがオモリが海底に着いた「着底」の合図です。着底したら、すぐにリールを巻いて余分な糸フケを取り、オモリが底をトントンと叩くような状態を保ちます。これが「底取り」です。
船長からは「底から1m」や「底スレスレ」といったようにタナの指示が出ます。潮の流れや船の揺れによって、仕掛けは常に上下するため、こまめに底を取り直して指示ダナを正確にキープし続けることが非常に重要です。 タナが高すぎるとフグに餌だけ取られてしまい、低すぎると根掛かりの原因になるため、集中して操作しましょう。
ゼロテンションでの誘い方
ゼロテンションとは、ラインが張らず緩まずの「0」の状態を保ち、トラフグが餌に触れただけの微細なアタリを穂先で捉えるためのテクニックです。 オモリを海底につけた状態で、竿先をゆっくりと下げていき、穂先がわずかにお辞儀する状態をキープします。
基本的な誘い方は、このゼロテンションの状態を起点とします。竿先をゆっくりと50cmほど持ち上げて(誘い上げ)、トラフグに餌をアピールします。その後、餌が自然に落ちていくようなスピードでゆっくりと竿先を下げていき(誘い下げ)、再びゼロテンションの状態でアタリを待ちます(ステイ)。 この「誘い上げ・誘い下げ・ステイ」の繰り返しが基本動作となります。
| 動作 | 目的とコツ |
|---|---|
| 誘い上げ | ゆっくりと竿を持ち上げ、海底のトラフグに餌の存在を気付かせる。 |
| 誘い下げ | 餌が自然に落下する様子を演出し、トラフグに食わせる間を与える。 |
| ステイ(止め) | ゼロテンションを保ち、穂先に集中。トラフグが餌に触るアタリを待つ。止める時間は3秒~10秒程度で、その日の状況に合わせて調整する。 |
アタリの取り方とアワセのタイミング
トラフグのアタリは非常に繊細で、「コツッ」という小さなものから、穂先がわずかにお辞儀する「モタレ」、フッと軽くなる「食い上げ」など様々です。 時には明確なアタリが出ず、穂先が不自然に揺れるだけの「違和感」として現れることも少なくありません。
これらの小さな変化を感じ取ったら、迷わず即座に、力強く竿を大きく振り上げるようにアワセを入れます。これは、トラフグの硬い口周りにカットウ針をしっかりと貫通させるためです。アタリがなくても、誘いの一環として定期的に空アワセを入れる「タイム釣り」も有効なテクニックです。
アワセが決まり、魚の重みが乗ったら、リールは緩めずに一定の速度で力強く巻き上げます。 大型の場合は引きも強烈ですが、ここで緩めるとバレる原因になるため、強引なくらいのやり取りで海面まで浮かせましょう。取り込みは必ずタモ網を使ってもらうようにしてください。
釣果を伸ばすための応用テクニック
基本をマスターしたら、次は状況に応じて釣果をさらに伸ばすための応用テクニックに挑戦してみましょう。活性や潮の状況を読み、引き出しを多く持つことが「竿頭(さおがしら)」への近道です。
その日の状況に合わせて、様々なテクニックを試すことが重要です。以下に応用テクニックの例をまとめました。
| テクニック | 状況と方法 |
|---|---|
| 宙層の攻略 | トラフグの活性が高い時や、イワシなどのベイトが浮いている時は、フグも底から浮いていることがあります。船長の指示ダナより少し上(例:底から3~5m)を探ってみると、思わぬヒットに繋がることがあります。 |
| 誘いのバリエーション | 基本の誘いで反応が薄い時は、竿先を小刻みに揺らす「シェイク」でアピールしたり、逆に大きくゆっくり持ち上げて落とす「リフト&フォール」で広範囲にアピールしたりと、誘いのパターンを変えてみましょう。 |
| キャストして広範囲を探る | 船下だけでなく、アンダースローで軽くキャストして、より広い範囲を探るのも有効です。他の釣り人が攻めていないポイントにいるトラフグにアプローチできます。 |
| 餌の付け方の工夫 | 食いが渋い時は、エビの殻を全て剥いて柔らかくしたり、逆にアピール重視で2匹を房掛けにしたりと、餌の付け方を工夫するだけでアタリが増えることがあります。 新鮮な餌にこまめに交換することも釣果を伸ばすコツです。 |
東京湾のトラフグ釣りにおすすめの船宿
東京湾のトラフグ船は、神奈川県と千葉県の各港から出船しています。エリアによって攻めるポイントや船宿の特色が異なるため、自分に合った船宿を選ぶことが釣果への近道です。ここでは、実績が高く人気のある代表的な船宿をエリア別にご紹介します。多くの船宿では釣ったフグを捌いてくれるサービス(有料・要予約の場合あり)があるので、事前に確認しておくと良いでしょう。
神奈川県エリアの代表的な船宿
神奈川県側は、金沢八景や久比里、川崎などを拠点に多くのトラフグ船が出船しています。都心からのアクセスも良く、電車釣行に対応している船宿も多いのが特徴です。ポイントは観音崎沖や竹岡沖など広範囲を探ることが多く、大型の実績も高いエリアです。
| 船宿名 | エリア | 特徴 |
|---|---|---|
| 一郎丸 | 横須賀市 鴨居大室 | 創業80年を超える老舗で、大型船を複数所有しています。船長がふぐ包丁師免許を取得しており、釣ったトラフグを丁寧に捌いてくれるサービスが人気です。 広範囲のポイントに対応し、タチウオとのリレー釣りなども楽しめます。 |
| 野毛屋釣船店 | 横浜市 金沢八景 | 湾フグ釣りの名門として知られ、トラフグシーズンも多くの釣り人で賑わいます。 オリジナル仕掛けの販売や、出船前の丁寧なレクチャーに定評があり、初心者でも安心して挑戦できます。 駅から近く、電車でのアクセスも良好です。 |
| えさ政釣船店 | 東京都大田区 羽田 | 都心から最も近い船宿の一つで、仕事帰りにも立ち寄りやすい立地が魅力です。トラフグ専門船はもちろん、ショウサイフグや他の釣り物も豊富です。 フグ調理師免許を持つスタッフが常駐し、釣果を安全に持ち帰れます。 |
| つり幸 | 川崎市 川崎 | 川崎からの出船で、アクアラインを使えば千葉方面からのアクセスも便利です。トラフグ専門で出船し、レンタルタックルも充実しています。 資源管理にも積極的に取り組んでおり、釣果持ち帰り尾数のルールなどを設けています。 |
千葉県エリアの代表的な船宿
千葉県側は、浦安や富津などがトラフグ釣りの主要エリアです。特に浦安は老舗の船宿が多く、長年の経験と実績に基づいたサービスが受けられます。 富津沖や木更津沖といった近場のポイントで実績が上がることが多く、移動時間が比較的短いのがメリットです。
| 船宿名 | エリア | 特徴 |
|---|---|---|
| 吉野屋 | 浦安市 | 東京湾のフグ釣りを古くから開拓してきた老舗船宿です。 経験豊富な船長による的確なポイント選びと操船技術で、安定した釣果が期待できます。 船宿オリジナルの仕掛けも評価が高く、多くのリピーターに支持されています。 |
| 吉久 | 浦安市 | 浦安の有名船宿の一つで、トラフグシーズンは専門船で毎日出船しています。 船長手作りのオリジナルカットウ仕掛けが人気で、釣果実績も高いです。 公式サイトでは最新の釣果情報が頻繁に更新されており、釣行計画の参考になります。 |
| ひらの丸 | 富津市 | 内房エリアを代表する船宿で、タチウオやマゴチなど多彩な釣り物で人気ですが、冬から春にかけてはトラフグ船も出船します。 千葉県内房の遊漁船業者で協議し、資源管理のための自主ルールを定めて持続可能な釣りに取り組んでいます。 レンタルタックルも完備しており、初心者も歓迎しています。 |
ここに挙げた以外にも、東京湾には多くの素晴らしい船宿があります。釣果情報サイト「釣りビジョン」などで最新の釣果や出船状況を確認し、自分にぴったりの船宿を見つけて、高級魚トラフグ釣りに挑戦してみてください。
釣ったトラフグの安全な取り扱いについて
苦労の末に釣り上げた高級魚トラフグ。その喜びは格別ですが、持ち帰って美味しくいただくまでがトラフグ釣りです。しかし、ご存知の通りトラフグは猛毒を持つ魚。安全な取り扱いに関する正しい知識を持つことは、釣り人としての絶対的な義務です。この章では、釣ったトラフグを安全に楽しむための最も重要な情報をお伝えします。
トラフグの毒の危険性を知る
トラフグが持つ毒は「テトロドトキシン」という神経毒で、その毒性は青酸カリの1,000倍以上とも言われる非常に強力なものです。 この毒は熱に非常に強く、加熱調理では分解されません。 素人による調理は、毎年死亡事故を引き起こしており、絶対にやめなければなりません。
猛毒テトロドトキシンが含まれる部位
トラフグの毒は、主に肝臓や卵巣に集中していますが、種類や個体、季節によって毒を持つ部位が異なる場合があります。 厚生労働省もフグの種類ごとに食べられる部位を定めており、それ以外の部位を食べることは固く禁じられています。 以下は、一般的に知られるトラフグの部位別毒性の目安ですが、これらはあくまで一般的な情報であり、安全を保証するものではありません。



基本的には船宿のふぐ調理師免許を持った方が、釣ったフグは捌いてくれます。
| 部位 | 毒の有無 | 備考 |
|---|---|---|
| 肝臓 | 猛毒 | 食用は法律で禁止されています。 最も危険な部位です。 |
| 卵巣 | 猛毒 | 食用は法律で禁止されています。 肝臓と並び非常に危険です。 |
| 腸 | 強毒 | 食用不可。 |
| 皮 | 強毒 | 専門家による適切な処理(皮引き)が必要です。 |
| 血液 | 強毒 | 血抜きを完全に行う必要があります。 |
| 筋肉(身) | 無毒 | 適切な処理がされたものに限ります。 |
| 精巣(白子) | 無毒 | 適切な処理がされたものに限ります。 非常に美味ですが、卵巣と間違えやすいので注意が必要です。 |
| ヒレ | 無毒 | 適切な処理がされたものに限ります。ひれ酒などに利用されます。 |
※上記の表は一般的なトラフグに関するものであり、フグの種類によっては筋肉や皮にも猛毒を持つものが存在します。 交雑種(ハイブリッド)のフグは毒性が不明なため、多くの船宿で処理を断られます。
万が一中毒を起こした場合の症状
フグ毒による中毒は、食後20分から3時間ほどで症状が現れるのが特徴です。 進行が非常に速く、特効薬はありません。
初期症状として、唇や舌、指先のしびれが始まり、次第に歩行困難や言語障害といった症状が現れます。 重症化すると全身が麻痺し、意識ははっきりしているにも関わらず呼吸ができなくなり、最終的には心停止に至ります。 少しでも異常を感じたら、食べたものを吐き出し、直ちに救急車を呼んでください。
調理は必ず専門の調理師に任せる
トラフグを安全に食べるための唯一の方法は、専門家に処理を依頼することです。食品衛生法や各都道府県の条例により、フグの有毒部位を除去する「身欠き」や調理は、専門の免許(ふぐ調理師、ふぐ処理者など)を持つ人しか行うことができません。 素人判断での調理は、自分だけでなく家族や友人の命をも危険に晒す、絶対にあってはならない行為です。



何度も言いますが、基本的には船宿のふぐ調理師免許を持った方が、釣ったフグは捌いてくれます。マジで自分で捌かないでください。
船宿の「身欠き」サービスを利用する
東京湾のトラフグ船では、ほとんどの船宿で釣ったフグを処理してくれる「身欠き(みがき)」サービスが提供されています。 これは、有資格者である船長やスタッフが、毒のある内臓などを完全に取り除き、食べられる部分(筋肉、精巣、皮など)だけの状態にしてくれるサービスです。
このサービスを利用することで、自宅に帰ってから安全にフグ料理を楽しむことができます。料金やルール(捌ける尾数の上限など)は船宿によって異なるため、予約の際に必ず確認しておきましょう。クーラーボックスには十分な氷を用意し、処理済みの身を新鮮な状態で持ち帰れるように準備しておくことも大切です。
絶対に自分や無資格者で捌いてはいけない
「自分なら大丈夫」「このくらいなら平気だろう」といった安易な考えが、取り返しのつかない事態を招きます。過去のフグ中毒による死亡事故のほとんどは、素人調理が原因です。 釣ったフグを無資格の知人に譲ったり、捌いてもらったりすることも非常に危険です。
トラフグ釣りの醍醐味は、そのスリリングな駆け引きと、釣り上げた達成感にあります。そして、その先にある「食」の楽しみは、正しい知識とルールを守ることで初めて得られる最高の喜びです。必ず専門家のいる船宿のサービスを利用し、安全に絶品のトラフグを味わってください。詳細な情報は、厚生労働省のウェブサイト「安全なフグを提供しましょう」でも確認できます。
まとめ
冬から春にかけて楽しめる東京湾のトラフグ釣りは、高級魚を自らの手で釣り上げる格別な体験です。この記事で解説した専用タックルやカットウ仕掛け、そして底取りを基本とする釣り方をマスターすれば、釣果に繋がる可能性は格段に高まります。
最も重要なのは安全管理です。トラフグは猛毒を持つため、釣った魚の調理は必ずフグ調理師免許を持つ専門家がいる船宿やお店に依頼しましょう。準備を万全に整え、安全に東京湾でのトラフグ釣りに挑戦してみてください。
















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