夏の相模湾で強烈な引きと抜群の食味で多くのアングラーを魅了するカツオ釣り。本記事では、初心者でも迷わず釣果を伸ばせるよう、コマセやルアー(キャスティング・ジギング)に必要なタックル選びから、初夏から秋までの時期別パターン、船上での実践手順を徹底解説します。
相模湾でカツオを釣り上げる最大の鍵は、船長が指示するタナを厳格に守り、ヒット後は強引かつ素早い巻き上げでオマツリを防ぐことです。キハダマグロへの備えや鮮度を保つ血抜きの手順まで網羅し、初挑戦でも安心して旬の味覚を手にできます。
相模湾のカツオ釣りの魅力と特徴


相模湾の夏の風物詩として、毎年多くの釣り人を熱狂させるのがカツオ釣りです。都心からのアクセスが良好な神奈川県の各港から出船でき、黒潮の恵みを受けた力強い回遊魚とダイナミックに対峙できます。カツオ特有の鋭く猛烈な横走りとスピード感あふれる引き味は、一度体験すると病みつきになるほどの魅力を持っています。
カツオの回遊と相模湾の釣果傾向
相模湾は急深な海底地形を持ち、外洋から差し込む黒潮の分流が豊富なプランクトンやイワシなどのベイトフィッシュを湾内へと運び込みます。この豊かな餌を追って、初夏から秋にかけて本カツオの大群が相模湾内へ一気に押し寄せます。
相模湾におけるカツオ釣りの釣果は非常に爆発力が高く、群れに当たれば短時間でクーラーボックスが満タンになる連続ヒットを体験できるのが大きな傾向です。足が速い回遊魚であるため日によってポイントやタナ(泳層)は変化しますが、経験豊富な船長が魚群探知機やソナー、海面の鳥山を頼りに群れを追跡し、的確なポイントへ船を導いてくれます。
| 要素 | 相模湾のカツオ釣りの特徴 |
|---|---|
| 主な回遊ルート | 黒潮本流の接岸や分流の流入に伴い、伊豆諸島方面から相模湾内へ進入 |
| ファイトの魅力 | ヒット直後から猛スピードで疾走し、強烈なドラグ音とロッドの曲がりを楽しめる |
| 釣果の傾向 | 群れの活性が高いタイミングでは連続ヒットが多発し、数釣りが期待できる |
| 食味の魅力 | 釣り上げた直後に適切に処理された生カツオは、市販品とは一線を画す極上の味わい |
キハダマグロと同時に狙える理由
相模湾の夏から秋にかけての船釣りでは、「コマセカツオ・マグロ船」や「ルアーシイラ・カツオ・マグロ船」といった乗合船が多く出船します。カツオと大型回遊魚であるキハダマグロ(およびその幼魚であるキメジ)は、湾内で同じイワシなどのベイトフィッシュを捕食しており、同一海域で混成の群れを作ることが頻繁にあります。
そのため、ひとつのポイントでカツオの数釣りを楽しみながら、突如として20kgから30kgを超える大型キハダマグロがヒットする夢のようなシチュエーションが生まれます。手軽にお土産を確保しつつ、モンスター級の大物への期待感を同時に味わえる点は、相模湾ならではの特別な魅力といえます。
初心者でも船釣りなら挑戦しやすい
「強烈な引きをするカツオは初心者には難しそう」と思われがちですが、遊漁船を利用するオフショアの釣りは、ポイント選びやタナ合わせを船長がアナウンスで完全にナビゲートしてくれるため、実は初心者でも挑戦しやすい環境が整っています。
相模湾沿岸(三浦半島、湘南、西湘など)の船宿は設備が充実しており、ロッドやリールのレンタルはもちろん、仕掛けの販売や乗船時のレクチャー体制が整っている船宿が多いため、特別な大型タックルを最初から買い揃えなくても安心して釣行できます。船長の指示に従って仕掛けを投入し、タナを合わせる基本動作さえ覚えれば、初挑戦でも本物の強い引きを体感して本命を釣り上げることが十分に可能です。
相模湾でカツオが釣れる時期とシーズン


相模湾のカツオ釣りは、初夏の訪れとともに始まり、秋が深まるまで長く楽しめる人気のオフショアターゲットです。黒潮に乗って北上してくる群れの動向によって釣況が大きく変化するため、月ごとの回遊傾向や特徴を正しく把握することが好釣果への第一歩となります。
相模湾におけるカツオ釣りの大まかなシーズンと特徴は以下の通りです。
| 時期 | シーズン区分 | 魚のサイズ・状態 | 釣況の特徴 |
|---|---|---|---|
| 6月〜7月 | 初夏(開幕期) | 1.5kg〜3kg前後(初ガツオ) | ルアー中心に開幕し、群れの動きが速く神出鬼没 |
| 8月〜9月 | 盛夏(最盛期) | 2kg〜4kg前後 | コマセ釣りが全面解禁となり、湾内全域で数釣りが期待できる |
| 10月〜11月 | 秋(終盤期) | 4kg〜6kg超(戻りガツオ) | 群れは少なくなるものの、脂の乗った大型個体が狙える |
初ガツオが回遊する初夏の特徴
6月から7月にかけては、太平洋を北上してきたばかりの初ガツオが相模湾沖に姿を見せ始めます。この時期のカツオは赤身が美しく、脂が控えめでさっぱりとした爽やかな味わいが特徴です。
初夏の群れは遊泳スピードが非常に速く、湾の入り口付近を活発に移動します。船宿ではルアー専門船や探索船が出始め、鳥山や海面のハネ(跳ね)を手がかりに素早く船を寄せるラン&ガンスタイルが中心となります。ベイトサイズに合わせた攻略が釣果を分ける時期でもあり、小型のシラスやイワシを捕食しているときは繊細なアプローチが求められます。
数釣りを期待できる夏の最盛期
8月1日に相模湾のコマセ釣りが解禁されると、湾内のカツオ釣りは一年で最も盛り上がる最盛期を迎えます。水温の上昇とともに群れが湾内深くまで入り込み、広範囲で鳥山やナブラが発生します。
この時期はコマセ(オキアミ)に魚が付きやすく、船下に群れを足止めできるようになるため、手返しよく仕掛けを投入することで初心者でも二桁釣果を狙える絶好のチャンスとなります。アタリが連発するお祭り状態になる日も多く、強烈な横走りと力強い引きを存分に堪能できるハイシーズンです。
大型や戻りガツオを狙える秋
10月以降の秋シーズンに入ると、北の海で豊富なエサを食べて南下してきた「戻りガツオ」が相模湾を通過します。夏の数釣りとは対照的に、5kgを超えるような丸々と太った大型個体が混じるのが秋の醍醐味です。
魚体にたっぷりと脂を蓄えた戻りガツオは食味が極めて高く、釣り人にとって最高のターゲットとなります。群れの数自体は夏よりも減少するため、ワンチャンスの強い引きを確実にモノにする慎重なやり取りと太めの仕掛け選びが重要になります。
黒潮や水温から釣行日を判断する方法
カツオは暖水性の回遊魚であるため、釣行日を決める際は黒潮の流軸と海水温の推移を確認することが欠かせません。カツオが活発に捕食行動をとる適水温はおおむね22℃から28℃前後とされています。
相模湾に黒潮の分流(暖水塊)が強く差し込んでいるタイミングは、新たな群れが湾内に供給される合図となります。最新の海況情報は、神奈川県水産技術センターが公開している海況図や、海上保安庁 海洋情報部の海洋速報などで確認できます。急激な水温低下がなく安定して暖水が流入している潮回りを選ぶことが、好釣果に恵まれる重要なポイントです。
釣果を左右する黒潮とベイトの動き
相模湾におけるカツオの回遊ルートや滞在期間は、黒潮が運び込むベイト(エサとなる小魚)の動向に直結しています。春から夏にかけてカタクチイワシやトビウオ、シラスなどの群れが湾内に豊富に供給されると、それを追ってカツオの群れも湾内に長く留まります。
潮目が形成されるエリアや海底地形が急深になるポイントでは、潮流によってベイトが押し固められやすく、大規模なナブラが発生します。潮の境目や漂流物周辺に集まる小魚の気配を敏感に察知することが、カツオの居場所を突き止める鍵となります。
キハダマグロが掛かる可能性
相模湾のカツオ釣りを語る上で外せないのが、同じ海域・同じエサを捕食しているキハダマグロの存在です。特に夏のコマセ釣りや秋のナブラ撃ちでは、カツオの群れの下や周囲に20kgから50kgを超える大型キハダマグロが混泳しているケースが頻繁に見られます。
カツオ狙いのライトな仕掛けに大型のキハダがヒットすると、一瞬で数百メートル走られてラインブレイクにつながることも珍しくありません。カツオを狙いながらも不意の大型魚に対応できるドラグ設定を意識しておくことが、船上でのトラブルを防ぎ、思わぬ大物をキャッチする可能性を高めます。
相模湾のカツオ釣りで選べる釣り方


相模湾のカツオ釣りは、仕掛けにエサを付けて狙うエサ釣りと、疑似餌を巧みに操作するルアー釣りの両方で楽しめます。相模湾のカツオ釣りはコマセ釣りを中心に多彩なスタイルが確立されており、自分のスキルや好みに合わせて釣り方を選択できるのが大きな魅力です。
乗合船によって専門船(コマセ専門・ルアー専門)や、1隻の船でエサ釣りとルアー釣りが同船できる船宿など形態が分かれます。まずはそれぞれの特徴やメリットを把握し、自分に合った釣法を見つけましょう。
| 釣り方 | 主な特徴 | 有効な状況 | 難易度 |
|---|---|---|---|
| コマセ釣り | オキアミを撒いて群れを足止めし、付けエサを食わせる伝統的かつ王道の釣法 | 船長が指示するタナ(遊泳層)に群れが留まっているとき | 初級〜中級 |
| ルアーキャスティング | 水面のナブラや鳥山を追尾し、プラグやジグをキャストして表層で食わせる釣法 | カツオが表層でイワシなどのベイトを追い回しているとき | 中級〜上級 |
| ジギング | 中層から深場に沈んだ群れのタナへメタルジグを落とし、シャクリ上げて誘う釣法 | 表層にナブラが出ず、魚探で中層に反応が出ているとき | 中級 |
| 活きイワシを使う泳がせ釣り | 元気な活きイワシをハリに掛け、フカセ仕掛けで自然に泳がせて喰わせる釣法 | コマセやルアーにスレている大型個体や高活性な群れを狙うとき | 中級〜上級 |
オキアミを使うコマセ釣り
コマセ釣りは、相模湾のカツオ・キハダ狙いにおいてもっとも多くの釣り人に親しまれている定番の釣り方です。ビシと呼ばれる専用のカゴに冷凍オキアミを詰め、海中で振り出すことでカツオの群れを船の下に引き止めます。
オキアミの煙幕の中に付けエサを自然と同調させることで、初心者でも高い確率で強烈なヒットに持ち込めるのが最大の強みです。船長の指示する深さ(タナ)へ正確に仕掛けを送り込む基本動作さえ押さえれば、安定した釣果が期待できます。また、カツオの群れにキハダマグロが混泳しているケースも多く、不意の大型魚とのファイトが楽しめるのもコマセ釣りの醍醐味です。
ナブラを狙うルアーキャスティング
ルアーキャスティングは、船を走らせて海面の変化を探し、カツオが小魚を追い詰めて海面が沸き立つ「ナブラ」や、海鳥が群がる「鳥山」を狙い撃つ攻撃的なスタイルです。
この釣り方の魅力は、水面を割ってルアーに猛然とバイトする瞬間を肉眼で確認できるエキサイティングなゲーム性にあります。シンキングペンシルや小型メタルジグをナブラの進行方向へ正確にキャストし、カツオの捕食スピードに合わせたハイスピードリトリーブで誘います。一瞬の判断力とキャスト精度が求められますが、ダイレクトに伝わる手応えと疾走感はルアーフィッシングならではの快感です。
メタルジグで探るジギング
ジギングは、鉛やタングステンなどで作られたメタルジグを中層〜深場までフォールさせ、ロッドワークとリーリングでジグを躍らせてバイトを誘う釣り方です。
表層に魚が見えない時間帯でも、魚探の反応が出ているレンジを集中的に直撃して攻略できるため、キャスティングでは手が出ない深場の群れに対して圧倒的な威力を発揮します。ワンピッチジャークや高速巻きとストップを組み合わせるなど、当日のアタリパターンを探り当てていく戦略性の高さがルアーマンに支持されています。
活きイワシを使う泳がせ釣り
活きイワシを使う泳がせ釣り(フカセ釣り・一本釣り)は、船の生簀に確保された活きの良いマイワシやカタクチイワシをエサにして流す釣法です。相模湾では一本釣り船やフカセ船などで楽しまれています。
人工的なルアーや冷凍オキアミを見切るような警戒心の高い状況でも、生きたイワシ特有の生命感ある動きにより、スレたカツオに対しても圧倒的な喰わせ能力を発揮するのが特徴です。仕掛けに余計なオモリを付けず、イワシの泳ぎに任せてラインを送り出すフカセスタイルでは、スプールから一気にラインが引き出される豪快なアタリを体感できます。
コマセ釣りに必要なタックル


相模湾のコマセカツオ釣りは、時速60km以上で泳ぐともいわれる強烈な引きをねじ伏せ、船中でのオマツリを防ぐために素早く巻き上げられるパワー重視のタックルセッティングが基本となります。キハダマグロが混混するシーズンでも安心してやり取りができるよう、信頼性の高いアイテムを揃えましょう。
カツオの引きに負けないロッド
カツオのファーストランは非常に強力で、横や下へ予測不能に走ります。ロッドには、魚の突っ込みを受け止める柔軟性と、一気に海面へ浮き上がらせる強靭なバットパワーが求められます。
長さは取り回しと手返しを重視した1.8mから2.1m前後のショートレングスが扱いやすく、船べりでの魚の誘導もスムーズに行えます。オモリ負荷は相模湾の標準である80号から100号に対応し、急な大型キハダのヒットにも耐えうる汎用青物ロッドやショートゲーム専用ロッドを選びましょう。調子は仕掛けを安定させつつ口切れを防ぐ7:3から6:4調子が最適です。
電動リールと手巻きリールの選び方
コマセカツオ釣りで使用するリールは、手返しのスピードと巻き上げトルクが釣果を大きく左右します。状況や体力に合わせて電動リールと手巻きリールを使い分けましょう。
初心者の方や確実に数を伸ばしたい方には、電動巻き上げで素早く魚をコントロールできる電動リールがおすすめです。
PEラインとリーダーの太さ
相模湾の乗合船では、周りの釣り人とのオマツリやラインブレイクを防ぐため、道糸の号数が厳格に指定されるケースが一般的です。
PEラインは8本撚りのPE6号または8号を最低200m以上巻いておくのが基本です。細すぎるラインは高切れの原因となり、太すぎると潮の抵抗を受けてオマツリを誘発します。PEラインの先端にショックリーダー(フロロカーボンまたはナイロン20号〜30号を2m〜3m)を結束しておくと、ガイド抜けやクッション性が向上し、天秤付近の擦れ切れトラブルを防げます。
天秤とコマセカゴの選び方
コマセを狙ったタナに的確に撒き、仕掛けをトラブルなく同調させるための重要なパーツです。
天秤は腕長40cm〜50cm前後の丈夫な青物用弓型天秤や形状記憶合金天秤を使用します。華奢なライト天秤はカツオのパワーで曲げられてしまうため避けましょう。
コマセカゴ(ビシ)は、相模湾で広く使われている80号〜100号のステンカンやサニービシ(FL・Lサイズ)を用意します。オキアミの放出量を窓の開き具合で細かく調整できるタイプが必須です。



ダイワのシャベルカゴだとオキアミを詰めるのがとても楽です。
なお、口切れによるバラシを防ぐために太さ2.0mm〜2.5mm、長さ30cm〜50cm程度のショートクッションゴムを天秤と仕掛けの間に接続するケースもありますが、ゴムが伸びすぎると船べりでの取り込みが難しくなるため、長すぎるものは避けましょう。
ハリスと針を組み合わせた仕掛け
カツオは目が良く警戒心が高い一方で、ヒット直後の引きは鋭利な歯や強い摩擦を伴います。ハリスと針の組み合わせは釣果に直結する重要な要素です。



既に組みあがっている仕掛けがオススメです。
| パーツ | 推奨スペック | 選定のポイント |
|---|---|---|
| ハリス | フロロカーボン 12号〜16号(長さ1.5m〜2m) | 取り込みのしやすさとオマツリ回避のため、ハリス長は2m前後と短めにするのが相模湾の基本 |
| 針 | ヒラマサ針 13号〜15号 カツオ専用針 13号〜16号 | オキアミを真っ直ぐ刺しやすく、カンヌキにしっかり掛かる太軸・環付き仕様が安心 |
| 接続パーツ | 強化パワースイベル #1〜#3 | 強い回転トルクによる糸ヨレを防ぐため、破断強度の高いボールベアリングスイベルを使用 |
活性が高い時期は太めの16号ハリスで手返しよく抜き上げ、喰い渋り時には12号〜14号に落とすなど、状況に応じて交換できるよう複数の仕掛けを準備しておきましょう。
ルアー釣りに必要なタックル


相模湾のルアーカツオ船では、ナブラ(小魚を追って水面に湧く魚群)や鳥山へ船を急接近させ、素早く仕掛けをキャストして高速巻きで狙うスタイルが主流です。カツオは遊泳スピードが極めて速く、引きも強烈なため、遠投性と強烈な走りを止める剛性を両立した専用タックルの準備が欠かせません。
キャスティングロッドの長さと硬さ
相模湾の乗合船では安全確保のため、原則としてアンダーハンドキャスト(胴の間からの下手投げ)が求められるケースが多く見られます。そのため、取り回しが良くシャープに振り抜ける7.0〜7.6フィート前後のオフショアキャスティングロッドが最適です。
硬さは30g〜60g前後のプラグやジグをしっかり胴に乗せて弾き出せるML(ミディアムライト)からM(ミディアム)クラスが扱いやすく、カツオ特有の鋭い突っ込みをしなやかに受け止めて口切れやバラシを軽減してくれます。
スピニングリールの番手とドラグ性能
カツオのルアーフィッシングでは、見切られないための超高速リトリーブが基本動作となります。リールは1回転あたりの巻き取り長が多いハイギア(HG)またはエクストラハイギア(XG)のスピニングリールを選択してください。
番手はシマノなら5000〜6000番、ダイワなら4000〜5000番(SW機)が標準です。実用ドラグ力が6kg以上あり滑り出しが滑らかなリールを選ぶことで、ヒット直後の猛烈なダッシュによるラインブレイクを防ぎ、主導権を握ったやり取りが可能になります。
PEラインとショックリーダーの目安
メインラインには強度と遠投性に優れたPEラインの2号〜3号を200m以上、できれば300m巻いておくと高切れなどのライントラブル時も安心です。細すぎるラインは乗合船でのお祭り時に摩擦で切れやすくなり、太すぎるとルアーの飛距離が落ちるため2号または2.5号が最も汎用性に優れています。
リーダーは耐摩耗性と結束強度に優れたナイロンまたはフロロカーボンの40lb〜60lb(10号〜14号相当)を1.5m〜2mほど結束します。キャスト時にガイド内へ結び目を巻き込みすぎない長さに調整し、結束には強度の高いFGノットやPRノットを用いて確実に締め込んでおくことが重要です。
カツオに有効なルアーの種類
相模湾のカツオは捕食しているベイト(カタクチイワシ、トビウオ、シラスなど)の種類や遊泳層によって反応するルアーが刻々と変化します。複数のタイプをボックスに揃えておき、状況に合わせてローテーションできるようにしておきましょう。
メタルジグ
メタルジグは空気抵抗が少なく、抜群の飛距離を稼げるため遠くのナブラを直撃する際に必須となるルアーです。重量は30g〜60gのキャスティング専用ジグやタングステン製ジグが多用されます。
水面をバチャバチャと跳ねさせながら巻く「スキッピング」や、表層から中層へのフォール&ファストリトリーブで威力を発揮します。フロントまたはリアには強靭なシングルアシストフックを装着し、カツオの強烈なローリングファイトによる針伸びを防ぎます。
シンキングペンシル
イワシなどの小魚が逃げ惑うリアルなアクションを演出しやすいのがシンキングペンシルです。サイズは9cm〜13cm程度、重量は30g〜50g前後のヘビーシンキングタイプが適しています。
着水後に水面直下を泳がせるただ巻きはもちろん、ナブラの中で弱ったベイトのように水平フォールさせて喰わせの間を作る使い方も非常に効果的です。ナブラはあるもののジグの直線的な動きに見切られるタフな状況下で絶大な強みを発揮します。
ポッパー
ポッパーは水面で大きなポップ音とスプラッシュ(水しぶき)を発生させ、広範囲の魚へ強烈にアピールできるトップウォータールアーです。サイズは100mm〜130mmクラスが扱いやすい基準となります。
カツオが水面を激しく割ってベイトを追い回している高活性時に投入すると、派手なバイトシーンを楽しめます。移動距離を抑えつつ短いピッチで連続して水しぶきを上げ、捕食スイッチを入れるアクションが有効です。
相模湾のカツオを釣る基本手順


相模湾のカツオ釣りは、船長の合図とともに素早く仕掛けを投入し、短時間で勝負を決めるスピード感が醍醐味です。コマセ釣りとルアー釣りのそれぞれにおいて、基本手順を正しく把握しておくことが釣果アップへの最短ルートとなります。
コマセカツオの仕掛けと釣り方
コマセカツオは、船長の指示ダナに合わせてコマセ(オキアミ)を撒き、付けエサと同調させて食わせる伝統的かつ高確率な釣法です。一連の基本動作を正確に行うことで、周囲とお祭り(仕掛け絡み)することなく連続ヒットを狙えます。
基本的な仕掛けの作り方
コマセカツオの仕掛けは、道糸の先に片天秤を接続し、ビシ(コマセカゴ)とクッションゴム、ハリス、針を順に連結して構成します。カツオの鋭い歯や強烈な引きに耐えられるよう、接続部の結び目は結束強度を高めるダブルクリンチノットやチューブ補強を施すのが基本です。
ハリスの長さは船宿の指定に合わせつつ1.5mから2m前後に設定し、手返しの良さとトラブル回避を両立させることが重要になります。
オキアミの選び方と付け方
付けエサには、粒が大きめで身がしっかり締まったオキアミを選びます。尾羽を根元からハサミなどで綺麗に切り落とし、その切り口から針先を入れてオキアミの腹側を通し、背中側に針先をわずかに出す「丸掛け」や「ストレート刺し」が基本です。
エサが曲がって付いていると海中で回転してハリスがヨレる原因になるため、海中でオキアミが真っ直ぐな姿勢を保てるよう丁寧に針付けすることがバイト率を高める秘訣です。
船長が指示するタナに仕掛けを合わせる
カツオの群れは遊泳層が刻々と変化するため、船長から「タナは水深15mから20m」といったアナウンスが出されます。仕掛けを投入する際は、指示されたタナよりも深く仕掛けを落とさず、指示ダナの下限からハリス分だけ沈めてコマセを振り出すのが鉄則です。
指示ダナより下へビシを落としてしまうと、群れが驚いて沈んでしまい船全体の釣果に悪影響を与えるため、リールのカウンターだけでなく道糸のカラーマーカーを見て正確に水深を把握します。
コマセと付けエサを自然に同調させる
指示ダナの水深までビシを落としたら、ロッドを鋭く1〜2回シャクってコマセカゴからオキアミを海中に放出します。その後、ハリスが潮に馴染んで付けエサがコマセの煙幕の中に漂うよう、シャクり上げた分の糸フケを素早く巻き取り、ロッドを水平に構えてアタリを待ちます。
待ち時間は1分から2分程度とし、アタリがなければ一度回収してコマセを詰め直し、手返しよく再投入を繰り返します。
アタリからフッキングまでの流れ
カツオがエサを捕食すると、竿先が海面へ一気に突き刺さるような明確で強烈なアタリが出ます。アタリを感じたら即座にロッドを立ててしっかりとフッキングを決めます。
カツオの口元は比較的柔らかいため、アタリと同時に竿の胴に乗せるようにしっかりと合わせを入れ、針をカンヌキ(口角)に貫通させることでバラシを防ぎます。
ドラグを活用して素早く巻き上げる
フッキングが決まった直後、カツオは横方向へ猛スピードで走ります。ドラグは滑りすぎない強めの設定(3kg〜4kg程度)にしておき、ファーストランを止めたらポンピングを極力使わず、ロッドの角度を一定に保ちながら電動リールまたは手巻きで一気に巻き上げます。
カツオを自由に泳がせると隣のアングラーと激しくお祭りするため、主導権を渡さず力強く巻き切ることが確実なキャッチにつながります。
ルアーカツオの狙い方
ルアーカツオは、海面の変化を見逃さず、カツオの群れへルアーをダイレクトに打ち込む攻撃的な釣り方です。ナブラへのアプローチからファイトまで、スピードと正確性が求められます。
鳥山とナブラの見つけ方
船上からは、海面を飛び交う海鳥の動き(鳥山)や、カツオがベイトフィッシュを追って水面を激しく跳ねる白波(ナブラ)を素早く見つけます。鳥が海面スレスレを旋回して急降下している場所の下にはベイトが追い詰められており、その直下にカツオの群れが存在します。船がナブラに近づく間に立ち位置を確保し、いつでもキャストできる体勢を整えます。
船上で安全にキャストする方法
乗合船でのルアーキャスティングでは、周囲への安全確認が最優先です。ルアーを振りかぶるオーバースローは同船者に針が引っ掛かる危険があるため、脇に抱えた状態から前方へコンパクトに押し出すアンダーハンドキャストを基本とすることがマナーです。後方と左右の安全を目視で確認してからキャスト動作に入ります。
カツオが反応する巻き速度
カツオは遊泳速度が非常に速いため、中途半端なスピードのリトリーブではルアーを見切られてしまいます。ルアーが着水した瞬間から、リールを限界近くまで速く巻く「超高速リトリーブ」を行い、水面直下を逃げ惑う小魚を演出します。
時折ロッドティップを小刻みにトゥイッチさせてルアーの軌道を変化させたり、水面を滑らせるスキッピングを取り入れたりすることでリアクションバイトを誘発します。
ルアーの色とサイズの選び方
ルアー選びの基本は、その時カツオが捕食しているベイトフィッシュのサイズとカラーに合わせる「マッチ・ザ・ベイト」です。相模湾で使われる代表的なルアータイプの特徴と使い分けは以下の通りです。
| ルアーの種類 | 適した状況 | 特徴とアクション |
|---|---|---|
| メタルジグ(30〜60g) | ナブラが沈み気味のとき・遠投が必要なとき | 飛距離が出やすく、素早いフォールと高速巻きで広範囲を探れる万能ルアー |
| シンキングペンシル(20〜40g) | 海面直下にカタクチイワシなどのベイトがいるとき | ナチュラルな水平姿勢で泳ぎ、高速巻きでも水面から飛び出しにくく見切られにくい |
| 小型ポッパー / ダイビングペンシル | 海面で激しくボイルが多発しているとき | 水しぶきとポップ音で強いアピールを行い、活性の高いカツオの捕食スイッチを入れる |
カラーは、ベイトの定番であるシルバー系やブルー・イワシカラーをベースとし、濁り潮や曇天時には視認性の高いピンク系やケイムラ発光カラーをローテーションします。
ファイト中のドラグ調整
ルアーでヒットさせた後は、鋭利なトレブルフックやシングルフックが口周りに掛かっているため、ラインブレイクを防ぎつつも魚を暴れさせない適正なドラグテンションが必要です。初期ドラグはライン強度の1/3程度に設定し、カツオの急な突っ込みを吸収しながら素早く頭を船の方向へ向けるようリフトします。
船下へ潜り込まれそうな場合はロッドを海面に向けてラインが船底に擦れるのを防ぎます。
船べりで安全に取り込む
コマセ釣り・ルアー釣りのいずれにおいても、最もバラシが発生しやすく事故の危険が高いのが船べりでの取り込み作業です。ビシやルアーが水面まで上がってきたらロッドを置き、リーダー(またはハリス)を手で手繰り寄せます。
取り込みの際は、魚の引きに合わせて無理に引っ張らず、カツオが水面で横たわった瞬間に一気に抜き上げるか、タモ網(ランディングネット)へ頭から誘導します。手繰り寄せたハリスやリーダーを指に巻き付けると魚が暴れた際に指を切断・負傷する危険があるため、手のひら全体で糸をホールドすることが安全管理上の絶対原則です。船上へ抜き上げたカツオは甲板で激しく暴れるため、魚を大型タオル等で覆い、安全に針を外します。
時期別に見る相模湾カツオ釣りの攻略法


相模湾のカツオ釣りは、初夏の回遊初期から秋の終盤にかけて、捕食しているベイトのサイズや魚体の大きさ、群れの活性がダイナミックに変化します。釣行する時期ごとのパターンを把握し、仕掛けやアプローチを柔軟にアジャストすることが、釣果を大きく伸ばすための決定打となります。
| 時期 | カツオの傾向と特徴 | 主なベイト | 攻略のポイント |
|---|---|---|---|
| 6月〜7月(初夏) | 湾内への回遊初期。足が速く群れの移動が激しい。 | シラス・小型カタクチイワシ | 小型ルアーや小さめの針を選び、マッチザベイトを意識する。 |
| 8月〜9月(盛期) | コマセ釣りが本格化し、湾内全域で数釣りが狙える最盛期。 | カタクチイワシ・オキアミ | 仕掛けの投入から回収までの手返しを早め、時合を逃さない。 |
| 10月以降(秋・終盤) | 脂が乗った4kg〜6kg超の大型(戻りガツオ)が混じる。 | マイワシ・トビウオの幼魚など | ハリスを太くし、キハダマグロの混泳にも耐えられる強度を確保する。 |
六月から七月は回遊情報を重視する
相模湾に黒潮の分流が差し込み、カツオの第一陣が姿を現すのが6月から7月にかけての初夏シーズンです。この時期は魚の遊泳スピードが極めて速く、広範囲を激しく移動しながらエサを追う特徴があります。
初夏は船宿の釣果情報から群れを見極める
シーズン初期は日によって群れの有無や回遊ルートが大きく変動します。相模湾沿岸の各船宿が発信する最新の出船状況や探索海域の情報をこまめにチェックし、湾内にまとまった群れが入った直後のタイミングを狙って釣行を計画することが釣果への最短ルートです。
小型ベイトに合う仕掛けとルアーを選ぶ
初夏のカツオはシラスや極小のイワシなどマイクロベイトを偏食しているケースが多々あります。ルアーフィッシングであればシルエットの小さいタングステン製ジグやクリア系プラグ、コマセ釣りであれば小粒のオキアミを選別して針のサイズも落とすなど、ベイトサイズに極力合わせたセッティングを用意することが重要です。
高活性時は手返しを優先する
足の速い群れを捉えた際は、船が群れの上に留まっていられる短い時間が勝負となります。投入の合図が出たら遅れることなく仕掛けを指示ダナへ送り込み、ヒット後は素早く取り込んで次の投入へ移るなど、一回ごとの流しでどれだけ手数を増やせるかが釣果を分ける鍵となります。
八月から九月は手返しよく数を伸ばす
8月1日を迎えると相模湾ではコマセ釣りが解禁され、湾内のカツオ釣りは一年で最も賑わう最盛期を迎えます。コマセに魚が付きやすくなり、群れを船の周囲に足止めできるようになるため、連続ヒットによる数釣りが大いに期待できます。常に仕掛けのハリスや針先を点検しつつ、群れが船の下にいるチャンスタイムに手際よく仕掛けを打ち返す動作を徹底しましょう。
低活性時は付けエサと誘い方を変える
盛期であっても日中の潮止まりや連日のプレッシャーによって急に食い渋る時間帯が発生します。そのような状況では、オキアミの抱き合わせから1匹掛けへと付け方を小さく変更したり、指示ダナの少し下からコマセを振り出しつつゆっくりと誘い上げてフォールを入れたりするなど、カツオのリアクションバイトを誘発する細かな工夫が効果を発揮します。
十月以降は太めの仕掛けで大型に備える
秋が深まる10月以降は、北の海で豊富なエサを食べて南下してきた「戻りガツオ」がターゲットとなります。初夏の個体とは比較にならないほど魚体が丸々と太り、4kgから6kgを超える大型サイズも頻繁にヒットします。
大型化するカツオに合わせてハリスを太くする
大型化したカツオは引きの強さが増すだけでなく、鋭い歯でハリスを擦り切るリスクが高まります。夏場に使用していた12号〜14号前後のハリスから、16号〜20号クラスの太いフロロカーボンハリスへと仕掛けを強化し、強引なファイトでもラインブレイクを防げる万全の体制を整えましょう。
キハダマグロに備えてドラグを調整する
秋の相模湾では、カツオのタナの直下や同じコマセの帯の中に20kg〜30kgを超えるキハダマグロが混泳しているケースが珍しくありません。カツオ狙いの仕掛けに大型マグロが急遽ヒットしても瞬時に走られて高切れしないよう、リールのドラグはあらかじめ滑らかに滑り出す適正なテンションに調整しておく必要があります。
年によって釣れる時期が変わる理由
相模湾のカツオ釣りは、毎年決まったスケジュール通りに推移するとは限りません。その最大の要因は、黒潮の流軸の位置や分流の入り方、沿岸の水温変化にあります。黒潮が大きく離水する大蛇行の年や、水温の上昇が遅れるシーズンは湾内への群れの接岸が遅れる傾向があります。
さらに、湾内に供給されるカタクチイワシなどのベイトフィッシュの湧き具合によっても滞在期間が左右されるため、海洋情報とベイトの動向を常に照らし合わせながら状況を判断することが求められます。
初心者が釣果を伸ばすコツ


相模湾の船カツオ釣りは、群れの移動スピードが極めて速く、船中が一度お祭り騒ぎのような高活性に包まれる一方で、基本動作を誤ると自分だけアタリが出ないという状況に陥りがちです。
初心者が確実に釣果を伸ばすためには、事前の情報収集から船上でのタナ取り、エサの付け方、ヒット後のやり取りに至るまで、カツオ特有の習性と乗合船のルールに沿った正確な手順を実践することが最大の近道となります。
船宿の最新釣果と出船状況を確認する
カツオの群れは黒潮の接岸状況や水温変化、ベイトフィッシュの動きによって日々居場所を変えます。釣行前には必ず予約した船宿の公式ホームページやSNSで直近の釣果ブログを確認し、どのような状況でヒットしているかを把握しておきましょう。
特に注目すべきは、直近でヒットしているタナ(水深)の深さとヒットエサの傾向です。連日浅いタナで食っているのか、やや深場を探っているのか、またハリスの太さは何号が主流になっているかを確認しておくことで、当日の仕掛け選択や準備に迷いがなくなります。
指示ダナより仕掛けを下げない
相模湾のコマセカツオ釣りにおいて、最も厳しく守らなければならない鉄則が「船長の指示ダナより下にビシ(コマセカゴ)を落とさない」ことです。カツオやキハダマグロは下から上を見上げてエサを探す習性があり、指示ダナより下に重たいビシを落としてしまうと、警戒心の強い群れが一瞬で深場へ沈んで船全体のチャンスを逃す原因になります。
リールの水深カウンターはスプール糸巻き量の変化などによって数メートルのズレが生じることがあるため、タナ取りは必ず道糸(PEライン)の1m・10mごとのカラーマーカーを目視で確認して正確に合わせてください。
コマセを少量ずつまいて仕掛けをなじませる
コマセワークの目的は、カツオの群れを船下に足止めしつつ、撒き餌の煙幕の中に付けエサを自然と同調させることです。コマセカゴの窓を全開にして一度に大量のオキアミを撒いてしまうと、エサの塊に魚が突っ込んで仕掛けを見切られたり、すぐにコマセが切れて群れが離れてしまったりします。
ビシの放出窓は上部を全閉〜1/3、下部をオキアミが1〜2匹ずつパラパラとこぼれ出る程度に調整し、指示ダナで竿を鋭く1〜2回シャクって仕掛け長と同調させるイメージで漂わせるのが釣果を伸ばす秘訣です。
オキアミの付け方を工夫する
カツオは非常に目が良い魚であり、海中で不自然に回転するエサや形が崩れたエサには口を使いません。付けエサ用のオキアミは、身がしっかりした形の良い粒を選び、ハリの軸に対して真っ直ぐになるよう丁寧に刺す必要があります。
状況に応じてオキアミの付け方を使い分けることで、アピール力を高めたり喰い込みを向上させたりすることができます。
| 付け方の種類 | 刺し方の特徴 | 効果とおすすめの状況 |
|---|---|---|
| 1匹掛け(ストレート) | 尾羽を切り落とし、切り口からハリ先を入れて腹側に真っ直ぐ抜く | 海中でエサが回転しにくく、最も基本となる付け方。澄み潮時や喰い渋り時に有効。 |
| 2匹抱き合わせ | 尾羽を切った2匹のオキアミを、腹と腹を合わせるようにしてハリに通す | シルエットが大きくなりアピール力が抜群。朝マズメや濁り潮、高活性時の数釣りに最適。 |
| 丸掛け | 尾羽を切らずに節の間からハリを入れ、背中側にハリ先を出す | オキアミが丸まった自然な姿勢を保ち、フォール中のアピールや低活性時の喰い込みを促す。 |
仕掛けを回収した際、エサが回転してハリスがヨレてしまっている場合は、刺し方が曲がっている証拠です。エサ付けの手間を惜しまず常に綺麗な姿勢をキープすることがヒット率を大きく左右します。
お祭りやバラシを防ぐ
カツオ釣りは強烈なスピードとパワーを誇る魚を狙うため、同船者とのオマツリ(仕掛け同士の絡み合い)や口切れによるバラシが頻発します。これらを防ぐためには、ドラグ設定とやり取りのテンション管理が極めて重要です。
リールのドラグは緩めすぎず、手で強く引っ張って滑る程度(約3〜4kg前後)に設定しておき、ヒット直後のファーストランを耐えたら一切ラインを出さずにゴリ巻きするのが基本です。仕掛けの緩み(テンション抜け)は針外れやオマツリの最大の原因となるため、ポンピングは最小限にし、竿の弾力を活かして一定の速度で巻き上げ続けましょう。
船長や仲乗りの指示に従う
相模湾のカツオ船では、群れの動きをソナーで追尾しながら船を急前進・旋回させ、群れの先回りに成功した瞬間に「はい、どうぞ!タナは20メートル!」といった投入アナウンスが出されます。
この合図から仕掛けがタナに到達するまでのスピードが勝負を分けるため、船が走っている移動中にエサ付けを完了させ、投入の合図と同時にビシを投入できるよう準備を整えておきましょう。
また、「回収してください」というアナウンスがあった際は、群れが通過した合図ですので速やかに仕掛けを巻き上げてください。船長のアナウンスや仲乗りのサポートに素早く反応することが、結果としてチャンスタイムを逃さない最大の防御策となります。
アタリが出たら素早く巻き上げる
カツオが付けエサをくわえると、竿先が一気に海面へ突き刺さるような明確で激しいアタリが出ます。アタリを感じたら即座に竿を立ててしっかりアワセを入れ、魚の口の硬い部分にハリを貫通させましょう。
フッキングが決まった後は、カツオに主導権を渡さないよう電動リールの巻き上げスイッチを入れるか、手巻きで力強く高速巻き上げを開始します。カツオは横に走り回る習性があるため、巻き上げが遅れると同船者の仕掛けを巻き込んで船中全体の大規模なオマツリを引き起こしてしまいます。
ヒットしたら躊躇せずにフルパワーで巻き上げ、一気に海面まで引き寄せることがバラシとトラブルを防止し、確実に1本をキャッチするための鉄則です。
ルアーでカツオを掛ける方法


相模湾のルアーカツオ釣りは、神出鬼没なナブラに対して的確にアプローチし、瞬時にバイトへ持ち込むスピード感と戦略性が魅力です。船上からの短いチャンスを確実にモノにするためには、カツオの捕食行動や群れの動きを理解した実践的なテクニックが欠かせません。
鳥山とナブラの進行方向を読む
カツオがイワシなどのベイトフィッシュを水面に追い詰めて捕食しているナブラでは、群れの動きを先読みする観察力が釣果を分けます。カツオの遊泳速度は非常に速く、目の前で発生している水飛沫の真ん中にルアーを着水させても、リトリーブを開始した頃にはすでに群れが通過してしまっているケースが珍しくありません。
キャストする際は、鳥が海面へ突っ込む角度や海面の波紋からベイトを追う方向を見極め、ナブラの進行方向の数メートルから十数メートル先へ先回りしてルアーを着水させることが鉄則です。群れのど真ん中へ重いメタルジグを直接着水させると、着水音で魚を驚かせて群れを沈めてしまう要因にもなるため、進行方向のコースを横切るようにルアーを通すアプローチを意識しましょう。
アンダーハンドキャストを使い分ける
相模湾のルアー船では、同船者との安全確保やトラブル防止のため、オーバーヘッドキャストが禁止されアンダーハンドキャストが基本ルールとなっている船宿が多く見られます。限られたスペースの中で安全かつ正確にキャストする技術は必須です。
アンダーハンドキャストを行う際は、周囲の安全を必ず目視で確認し、ロッドのしなりをしっかりと使ってルアーの重みを乗せながら前方に低く押し出すようにキャストします。ライナー性の低い弾道でキャストすることで風の影響を最小限に抑え、狙った着水ポイントへ正確にルアーを送り込むことができます。風下の釣り座や立ち位置による制約がある場合は、サイドハンドキャストも織り交ぜながら周囲への安全配慮を最優先にキャスト動作を行いましょう。
高速巻きとフォールで反応を探る
カツオは非常に目が良く、中途半端なスピードでルアーを引くと偽物だと見切られてしまいます。基本のアクションはリールを限界まで早く巻く「超高速巻き」や、水面を飛び跳ねさせる「スキッピング」です。ルアーを視界の中で見切らせず、リアクションバイトを誘発させます。
一方で、海面にナブラが出ていても表層の高速巻きに反応しない場面や、ベイトが小さくシラスパターンに陥っている状況では、フォールや細かなトゥイッチが劇的な効果を発揮することもあります。その日の状況に合わせて複数のアクションを使い分けることが攻略の鍵です。
| ルアーアクション | 操作方法のポイント | 効果的なシチュエーション |
|---|---|---|
| 表層超高速巻き | 着水直後からロッドをブレさせず限界速度でリールを巻く | 高活性時やベイトを追って水面を激しく跳ねているとき |
| スキッピング | ロッドを立ててルアーを水面から飛び出させながら巻く | ルアーを見切られやすい日中や澄み潮のタイミング |
| ストップ&フォール | 高速巻きの合間に一瞬リトリーブを止めヒラヒラと落とす | 表層の追いが悪くナブラの少し下の層に群れがいるとき |
| ワンピッチジャーク | 一定のリズムでロッドをシャクリながらジグを跳ねさせる | ナブラが沈んで魚探反応のタナを探るジギング時 |
掛けた後は魚を走らせすぎない
カツオがヒットした瞬間は強烈な手応えとともに一気に横や下へ走り出しますが、フッキングが決まったらドラグを適切に効かせつつロッドをしっかり立てて主導権を渡さないファイトが求められます。相模湾の乗合船では複数のアングラーが同時に竿を出すため、魚を走らせすぎると同船者との激しいオマツリを引き起こし、ラインブレイクやバレの原因になります。
リールを巻けるタイミングでは休まず一気に巻き上げ、カツオの頭を常にこちらへ向けさせることが大切です。ポンピングを行う際もロッドを下げる動作のときにテンションを緩めず、常にラインの張りを維持したまま素早く船べりまで寄せて抜き上げやタモ入れの態勢に持ち込みましょう。
カツオ釣りに必要な持ち物と服装


相模湾のカツオ釣りは、強烈な引きを味わえるエキサイティングなオフショアゲームですが、船上で快適かつ安全に過ごすためには万全な装備の準備が欠かせません。真夏の強い日差しやコマセ・海水の飛び散り、滑りやすい船上デッキなど、過酷な環境にも対応できる持ち物と服装を整えて釣行に臨みましょう。
大型クーラーボックスと氷
カツオは体温が高く鮮度が落ちやすい魚種介であるため、釣り上げた魚を素早く冷却して鮮度をキープできる大型クーラーボックスの準備が必須です。相模湾のカツオは3kg前後の良型から5kg以上の大型まで混ざるため、内寸に余裕のあるサイズを選びましょう。
| 容量目安 | 推奨される用途・特徴 | 氷の準備量 |
|---|---|---|
| 35L〜45L | カツオ単体を数本キープする際の標準サイズ。 持ち運びやすさと保冷性のバランスに優れる。 | 板氷2〜3枚(船宿支給分に追加推奨) |
| 50L〜60L以上 | 数釣りの好釣果時や、キハダマグロの幼魚(キメジ)の混獲にも対応しやすい余裕のあるサイズ。 | 板氷3〜4枚+釣行時の海水氷用スペース |
船宿で用意される氷だけでは真夏の猛暑時に溶けて不足する場合があるため、事前にコンビニエンスストアや釣具店で板氷を多めに購入して持ち込むと安心です。また、移動時や船上での出し入れを考慮し、キャスター付きのモデルや真空断熱パネルを採用した保冷力の高いクーラーボックスが重宝します。
ライフジャケットと滑りにくい靴
安全なオフショア釣行を楽しむための基本装備として、国土交通省型式承認品(桜マーク付き・Type A)のライフジャケット着用が義務付けられています。ルアーキャスティングやコマセワークで腕周りを大きく動かすため、動きやすさを重視した肩掛けタイプや腰巻き(ウエスト)タイプの自動膨張式ライフジャケットが適しています。
船上の甲板はコマセの油分や海水、魚のヌメリなどで非常に滑りやすくなります。安全確保のために以下の履物を用意しましょう。
- デッキブーツ(船用ショートブーツ)
-
波しぶきやコマセの汚れを完全に防ぎ、グリップ力に優れた専用ソールで転倒を防止します。
- デッキシューズ(ボート用スニーカー)
-
通気性や機動性を重視したい場合に適しており、濡れたFRPデッキでも滑りにくい特殊ラバーソールを採用しています。
サンダル類(クロックス等のかかとが固定されないもの)やスパイクブーツ(船のデッキを傷つけるため禁止)は危険ですので避け、必ず滑り止め加工が施された船専用のフットウェアを選びましょう。
雨具や日焼け対策用品
相模湾のカツオ船では、ポイント移動時の激しい波しぶきや、オキアミコマセの飛散によって衣服が汚れやすくなります。天候が晴れていても、汚れ防止と防風を兼ねて薄手のレインウェアやサロペットを着用するのが基本スタイルです。防水透湿性に優れたウェアであれば、夏の暑い日でも蒸れを抑えて快適に釣りを続けられます。
また、海上は陸上以上に紫外線が強烈に照り返すため、徹底した日焼け対策が体力の消耗を防ぐ鍵となります。
- 偏光サングラス
-
水面のギラつきを抑えて海中のナブラや鳥山を素早く発見できるだけでなく、ルアーやフックの誤射から目を保護します。
- 日焼け防止インナー・アームカバー
-
長袖の吸汗速乾UVカットインナーやフェイスマスクを着用し、直射日光を遮断します。
- ツバ付き帽子(キャップ・ハット)
-
頭部の熱中症予防と紫外線遮断のために必須です。強風で飛ばされないようハットクリップを併用しましょう。
- フィッシンググローブ
-
太いラインによる指の怪我や、魚のエラ・ヒレによる外傷を防ぎます。
酔い止め薬と飲み物
相模湾の沖合はうねりが生じやすく、船酔いによる体調不良を起こすと長時間の釣行を楽しめなくなってしまいます。乗り物酔いをしやすい方はもちろん、普段は酔わない方でも、乗船の30分〜1時間前にアネロンなどの実績ある持続性乗り物酔い薬を服用しておくことを強くおすすめします。前夜の十分な睡眠とアルコールの控除も効果的な予防策です。
真夏の洋上では熱中症のリスクが非常に高くなるため、水分補給用として十分な量の飲み物を持ち込みましょう。
- 水分の目安量
-
1人あたり最低2L〜3L(スポーツドリンクやお茶、ミネラルウォーター)
- 塩分補給アイテム
-
塩分チャージタブレットや梅干しなど、汗で失われる電解質を補えるもの
- 軽食
-
片手で手軽に食べられるおにぎりやゼリー飲料、パンなど
飲み物はクーラーボックス内であらかじめ冷やしておき、喉の渇きを感じる前にこまめな水分・塩分補給を心がけて安全に釣りを満喫しましょう。
相模湾のカツオ船を選ぶポイント


相模湾でカツオ釣りを最大限に楽しむためには、自分の釣り方や経験値に合った船宿・釣り船を選ぶことが重要です。相模湾には数多くの船宿が存在し、狙い方やサポート体制、設備などにそれぞれ特徴があります。乗船後に後悔しないよう、予約前に確認しておくべき具体的な比較ポイントを詳しく解説します。
コマセ船とルアー船の違いを確認する
相模湾のカツオ船は、大きく分けて「コマセ釣り専門船」「ルアー専門船」「コマセ・ルアー同船(混乗)」の3つの乗合船タイプがあります。それぞれの船で狙い方や船上の立ち回りが大きく異なるため、自分が希望する釣り方に合った乗合船の種別を事前に必ず確認する必要があります。
| 船種タイプ | 主な狙い方 | メリット | 注意点・特徴 |
|---|---|---|---|
| コマセ専門船 | オキアミを撒いて指示ダナで待つエサ釣り | 群れを船下に足止めしやすく、初心者でもアタリを捉えやすい | 船全体でタナを統一するルールがあり、正確なタナ取りが求められる |
| ルアー専門船 | 鳥山やナブラを追尾してキャスト・ジギング | 機動力を生かして広範囲を探れ、ルアーマンだけで快適にキャストできる | アンダーハンドキャストの技術や、ナブラ発生時の素早い対応が必要 |
| コマセ・ルアー同船 | エサ釣りとルアー釣りが同じ船に同乗 | エサ釣り・ルアー釣りのグループで一緒に乗船できる | ルアー座席はミヨシ(船首)等に限定されることが多く、予約枠の確認が必要 |
特にルアーで狙いたい場合、コマセ船への同乗枠(エビングやジギング限定など)なのか、キャスティングが可能なルアー専門船なのかによって投げられるルアーの制限も変わるため、事前の確認が欠かせません。
レンタルタックルの有無を確認する
専用の剛性感あるタックルを持っていない初心者や入門者の場合、船宿のレンタルタックルが充実しているかどうかが重要な選定基準です。カツオや同時期に掛かるキハダマグロの強い引きに耐えうる専用タックルを揃えるにはコストがかかるため、まずは破損保証やメンテナンスの行き届いたレンタルタックルを活用するのが手軽で安全です。
レンタルを利用する際は、以下の備品がプランに含まれているか、または追加レンタル・購入できるかを事前にチェックしておきましょう。
- 電動リールまたは手巻きハイギアリールと専用ロッドのセット
- コマセカゴ(ビシ)や天秤などのレンタル
- 船宿特製仕掛けやクッションゴム、オキアミブロックの現地販売
- 船電源の有無、または電動リール用バッテリーの貸出
出船港や料金と集合時間を比較する
相模湾のカツオ船は、西部の小田原・早川港から、中央部の大磯・平塚・茅ヶ崎港、東部の腰越・葉山・三浦三崎・松輪港まで、沿岸の広いエリアから出船しています。エリアごとの特徴や乗船料金、アクセス性を比較して最適な港を選びましょう。
| エリア | 代表的な出船港 | 特徴とアクセス |
|---|---|---|
| 湘南・中央部 | 大磯港、平塚港、茅ヶ崎港 | 都心からの道路アクセスや電車釣行の便が良く、カツオ船の激戦区として大型船が多数就航 |
| 西湘・西部 | 小田原港、早川港、真鶴港 | 西湘沖や真鶴沖などのポイントへ近く、潮通りの良い深場ポイントへのアクセスに優れる |
| 三浦半島・東部 | 腰越港、葉山港、三崎港、松輪港 | 相模湾口や南沖のポイントに近く、黒潮が湾内へ差し込むルートをいち早く狙いやすい |
乗船料金の相場は11,000円〜14,000円前後が一般的で、料金内にコマセ用オキアミや氷が含まれているか確認が必要です。また、夏のカツオ船は出船時間が早朝5時〜6時前後となることが多いため、出船の1時間前までに港へ余裕を持って到着できる交通ルートを確保することが大切です。駐車場が船着き場から近いかどうかもあわせて調べておくと安心です。
初心者へのサポート体制を確認する
カツオ釣りはヒットした魚が横に激しく走るため、オマツリ(仕掛け同士が絡まるトラブル)が頻繁に起こります。釣行に不慣れな初心者が安心して楽しむためには、船長以外のスタッフ(中乗り・仲乗り)が同乗している船宿を選ぶのがおすすめです。
中乗りスタッフが乗船している船では、次のような手厚いサポートを受けられます。
- 複雑に絡んだオマツリの迅速なほどきや仕掛けの交換補助
- ヒットした大型カツオのタモ入れ(ランディング)サポート
- 出船前の付けエサの刺し方やタナ取り手順のレクチャー
予約時に「カツオ釣りが初めて」と伝えておくことで、船長から指示ダナのアナウンスが聞き取りやすくサポートの届きやすい胴の間(船の中央寄り座席)を案内してもらえる場合もあります。ウェブサイトや釣果ブログで初心者歓迎を明記している船宿を選ぶと、快適な釣行を楽しめます。
釣ったカツオをおいしく持ち帰る方法


カツオは遊泳力が高く体温も高いため、釣り上げた後に適切な処理を行わないと、自身の熱で身が変質する「身焼け」を起こしたり、急速に鮮度が落ちて生臭さが出たりします。釣り上げた直後の迅速な血抜きと芯まで冷やす急速冷却を徹底することで、釣った人だけが味わえる極上の刺身やタタキを最高の状態で持ち帰ることができます。
血抜きと神経締めの手順
カツオは赤身魚特有の豊富な血液を持っています。釣り上げたら暴れて身割れを起こす前に、素早く血抜きを行うことが鮮度を保つ最大のポイントです。
取り込み後、暴れる魚体をしっかり押さえ、エラ蓋からナイフやハサミを入れてエラ膜およびエラの付け根にある太い血管を切断します。その後、海水を入れたバケツに頭から浸けてバタバタと泳がせることで、心臓のポンプ機能を活かして体内の血を一気に体外へ排出させます。血抜きを怠ると、血生臭さが身に移るだけでなく、酸化が進み身質の劣化を招きます。
さらに食感を長く保ちたい場合や大型のカツオが釣れた場合は、神経締めを行うのが効果的です。眉間から神経締め用のワイヤーを脊髄に向けて挿入し、神経を破壊することで死後硬直を遅らせ、旨味成分の減少を防ぐことができます。
| 工程 | 作業内容 | 効果と目的 |
|---|---|---|
| 1. 血管の切断 | エラの中に刃物を入れ、エラ膜や太い血管を切る | 体内の血液を排出し、臭みと酸化を防ぐ |
| 2. フリフリ血抜き | 海水を入れたバケツに頭から入れ、血をしっかり抜く | 心臓の拍動を利用して効率よく脱血する |
| 3. 神経締め(任意) | 眉間からワイヤーを通し、脊髄の神経を破壊する | 死後硬直を遅らせ、身の弾力と旨味をキープする |
氷締めで鮮度を保つ方法
血抜きが終わったカツオは、間髪入れずに冷却工程へ移ります。カツオの体温は非常に高いため、通常の氷の上に置くだけでは中心部まで冷え切らず、身焼けの原因になります。海水と大量の氷を混ぜ合わせた「潮氷(海水氷)」を作り、魚体を丸ごとドブ漬けにして急冷することが必須です。
潮氷の温度は氷単体よりも低く0度近くまで下がるため、熱を持ったカツオの熱を急速に奪うことができます。投入直後はカツオの体温で氷がどんどん溶けるため、釣行前にはクーラーボックスに十分な量の板氷やクラッシュアイスを用意しておきましょう。最低でも魚体が完全に冷え切るまでの1〜2時間は、潮氷の中に浸けておきます。
刺身やたたきに向く保存方法
芯まで完全に冷えたカツオは、そのまま潮氷に浸け続けると浸透圧によって水分を吸い、身が水っぽくなってしまいます。また、氷が溶けて真水になると身が白濁して風味が損なわれるため、完全に冷えた段階で潮氷から引き上げます。
クーラーボックス内で保管する際は、水を通さない厚手のビニール袋やジップ付き密閉袋にカツオを入れ、真水や溶けた氷水に魚体を直接触れさせない状態で保冷するのが鉄則です。袋に入れたカツオの周囲に氷を敷き詰め、冷気が逃げないようにして持ち帰ります。
帰宅後は速やかにエラや内臓、血合いを綺麗に取り除き、キッチンペーパーでドリップを拭き取ってからラップで空気が入らないように密着包装します。刺身やタタキ用としてその日のうちに食べる場合はチルド室で寝かせ、翌日以降に食べる分は柵(サク)取りした状態で冷蔵保管すると、余分な水分が抜けて濃厚な旨味を楽しむことができます。
カツオ釣りの安全対策と持ち帰り方


相模湾のカツオ釣りは強烈な引きとスピード感が魅力ですが、沖合での激しいファイトや船上での魚の暴れ方には特有の危険が伴います。安全対策を万全にして適切な処置を行うことで、怪我を防ぎながら最高の鮮度で魚を持ち帰ることができます。安全確保と鮮度保持の具体的な手順を押さえて釣行に臨みましょう。
ライフジャケットと船酔い対策
沖合を高速で走るカツオ船では、不意の揺れや波しぶきに備えた安全装備と体調管理が不可欠です。乗船時には、国の安全基準を満たした国土交通省型式承認品(桜マーク付き・タイプA)のライフジャケットの着用が義務付けられています。膨張式タイプを着用する場合は、ボンベの有効期限や手動索の位置を事前に確認しておきましょう。
また、相模湾の沖合は黒潮の影響やウネリによって船が大きく揺れることがあります。船酔いを防ぐためには、釣行前夜に十分な睡眠を取り、乗船の30分から1時間前には酔い止め薬を服用しておくのが効果的です。
船上では下を向いて細かい仕掛け作りを続けるのを避け、遠くの水平線に視線を向けたり風通しの良いキャビン外で過ごしたりすることで、快適な釣行を維持しやすくなります。
針や歯によるけがを防ぐ方法
カツオは釣り上げられた直後、尾ビレを高速で激しく打ち振るわせながら船上を激しく暴れ回ります。この際、口元に掛かった太い針やメタルジグが振り回され、手や足に刺さる事故が非常に発生しやすいため細心の注意が必要です。
怪我を防ぐためには、魚を素手で掴もうとせず、フィッシュグリップやプライヤーを確実に使用することが鉄則です。カツオの歯は細かく鋭いため、フックを外す際は必ずロングノーズタイプのプライヤーを使い、安全な距離を保って作業しましょう。また、厚手のフィッシンググローブやデッキブーツを着用することで、滑りやすいデッキ上での転倒や針掛かりのリスクを大幅に軽減できます。
| 危険要因 | 発生しやすいリスク | 防止策と推奨アイテム |
|---|---|---|
| 魚の激しい暴れ | ルアーや仕掛け針が跳ねて手足に刺さる | 大型プライヤーで針を外し、フィッシュグリップで頭部を固定する |
| 鋭い歯・エラ蓋 | 口元やエラに触れた際の切創 | 厚手のフィッシンググローブを着用し、素手で口周りを触らない |
| 濡れたデッキでの転倒 | 滑落やタックル破損、打撲 | 耐滑性能の高いデッキブーツやラバーソールシューズを履く |
血抜きと冷却で鮮度を保つ方法
カツオは運動量が極めて多い回遊魚であり、釣り上げた直後は体温が急上昇しています。釣り上げた直後に素早く血抜きを行い、氷水で一気に芯まで冷やすことが、カツオ特有の「身焼け(体温上昇により身が白濁して味が落ちる現象)」を防ぐ最大の鍵となります。
魚を取り込んだら、エラの中にナイフやハサミを入れてエラ膜を切り、海水を張ったバケツに頭から浸けてしっかりと血を抜きます。心臓のポンプ機能を利用して完全に放血させることで、生臭さを抑えてクリアな旨味を残すことができます。
血が抜けたら時間を置かずに、海水とクラッシュアイスを混ぜ合わせた「潮氷(しおごおり)」を張った大型クーラーボックスへ投入し、急速冷却を行ってください。しっかり冷え切った後は、魚が直接真水に触れてふやけないようビニール袋などに包んで保冷状態を保つと、極上の刺身やタタキを堪能できます。
まとめ
相模湾のカツオ釣りは初夏から秋にかけて最盛期を迎え、強烈な引きと抜群の食味を堪能できる人気の船釣りです。釣果を伸ばす最大のポイントは、船長が指示するタナを厳守し、コマセやルアーを手返しよく投入することです。
また、時期やベイトの大きさに合わせて最適なタックルを選び、大型カツオやキハダマグロの急なヒットにも備えましょう。最新の船宿釣果を確認したうえで釣行に臨み、釣り上げた後は適切な血抜きと氷締めで鮮度を保ち、極上の味を楽しんでください。





























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